このページは校正済みです
りてとくおろさんとて綱を引すぐしてつなたゆる
年をへて浪立よらぬすみのえのまつかひなしときくは誠か
とあるをよみてきかす。いとよはき心にかしらもたげて。人にかみをもたせて。くるしき心ちにからうじて書給ふ。
かひはなく有ける物をわひはてゝしぬる命を救ひやはせぬ
と書はてゝたえ入給ひぬ。是を聞て。かぐや姬少哀とおぼしけり。それよりなん少嬉しきことをばかひあるとはいひけり。扨かぐや姬かたちの世ににずめでたき事を。御門聞しめ
りてとくおろさんとて綱を引すぐしてつなたゆる
年をへて浪立よらぬすみのえのまつかひなしときくは誠か
とあるをよみてきかす。いとよはき心にかしらもたげて。人にかみをもたせて。くるしき心ちにからうじて書給ふ。
かひはなく有ける物をわひはてゝしぬる命を救ひやはせぬ
と書はてゝたえ入給ひぬ。是を聞て。かぐや姬少哀とおぼしけり。それよりなん少嬉しきことをばかひあるとはいひけり。扨かぐや姬かたちの世ににずめでたき事を。御門聞しめ