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全なものである。之れに付いてすら異論がある。今のは十八變の筮法であるが之れに對して三十六變の筮法といふがある。此れは繫辞傳中の十有八變して卦をなし。八卦して小成すとあるに思ひ付いたもので十八變で出來るのは八卦卽ち三爻の卦であるから六爻を得るには三十六變でなければならぬといふのである。皆川愿は此の說であつたが其筮法を試みに作つたのは根本羽嶽翁である。翁の筮法は周易復古筮法といふに備つて居る。自分は此筮法を以て穩かでないとする。何故なれば四つゞゝ數へんとしても己に其の策(竹のこと)のなきこともある。此れは不都合と思はれる。又爻の陰陽を定むる所が如何にも人爲的で面白くない。故に自分は筮法としては矢張り十八變が善いと思ふ。又谷川龍山の如きは四十九を用ひずして四十八を用ひて居る(周易本筮指南)。中には四十五本を用ひて居るのもある。又扐で占ふのもあるし、過筮で占ふのもある。或は畧筮とて、始め一を除