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膝の上にお前達を兩手で抱き擁えてゐる
眠らない俺達は何を見つめてゐるのであるか
俺達は飢ゑにも彈壓にも生命がけな今日を通してゐるのだ
勿論 おれ達は名も無い
よし死んでも殺されても棺の上に劍も帽子も勳章も乘らない
また旗で卷かれる事も新聞に書かれる事もあるまい
毛のついた帽子 腰にサーベルを光らせた者共より懺悔と惡名とを受けるだらう
だが默々たる俺達の無名はそれを笑ひとばすだらう
子供よ
今日 我々はお前を抱いたまゝ何よりも强い慈母となり不退轉の勇士になつてゐる
今日の道は必す明日へつづく。