彈丸は彈道から狂はず一直線に闇を縫つて 音もなく當るべき場所にすみやかにとゞいて爆ねると云ふことを知つてゐる 彈丸は始めて自らその時存在を示す それまで彈丸は只鉛としてあるに過ぎない。
斷 片 37
朗らかで行かふ 元氣で行かふと 君は云つて吳れる 我々は最後の頂點まで登りつめる野放圖もないテンタンたる朗らかな元氣を持つてゐる これより我等が朗らかで元氣であり得やうか それでゐて君も僕も血をすゝりたい程だ