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にあらざるよりは、又た彼を目して感化なりと稱するを得ず』と。氏は又た問うて曰く、『何の處にか、日本を改造したる歐洲の使徒あり、碩學あり、政治家あり、將た又た煽動者ありや』と。論者は能く日本の變造刷新を生ずるに至りたる所以の原動力の、全然日本人の中に存せるものなることを洞觀したり。唯だ氏にして若し更に一步を進めて、日本民族の心理を探究したらんには、其の燃犀の觀察眼は直ちに彼の原動力の、即ち武士道に外ならざる所以を確知するを得たりしならん。要するに我邦の劣等國として、他の侮蔑を蒙るに忍ぶ能はざる廉耻の觀念は、これぞ即ち吾人の最强なる動機なりける。殖財又は興業を云々するが如きは、國家改新の道程に於て、漸く近時に至りて、纔に醒起した