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     高き屋にのぼりて見ればの御製の有難きをいまも猶

庭竈

    叡慮にて賑ふ民や庭竈

年始

    小頭の數の子臭き年始かな

     山家に年を越して

齒朶

    誰が聟ぞ齒朶に餠負ふ丑の年

雜煮

    今朝買はん葎の宿の雜煮椀

    橙や伊勢の白子の店ざらし

若蛭

    我年を棚へ上げてや若蛭子

    年や人にとられて何時も若蛭子