木かくれて茶摘も聞くや杜宇
ほとゝぎす啼くや黑戶の濱庇
子規まねくか麥の村尾花
見かへりの松の梢や時鳥
田や麥や中にも市の時鳥
時鳥いまだ俳諧師無き世哉
烏賊賣の聲まきらはし時島
暫し間も待つや杜鵑千年
淸く聞かん耳に香炷いて時鳥
岩躑躅染むる泪やほとゝぎす