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     小夜の中山にて

    命なり僅の笠の下納凉

    破風に日影や弱る夕納凉

    或は唐破風や日影陽炎ふ夕納凉

    破風口の入日や薄き夕納凉

    あつみ山や吹浦かけて夕納凉

     花の上こぐとよまれし櫻の老木西行法師のかたみをのこす

    夕晴や櫻にすゞむ波の花

    百里來る程は雲井の下納凉