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    ほろと山吹散るか瀧の音

    山吹や笠にさすべき枝の形

菜の花

    山吹の露菜の花のかこち顏なるや

    なのはなになりて戀ふるや猫の妻

    菜畠に花見顏なる雀哉

蕗の薹

    園廣き德ありてこそ蕗の薹

土筆

    麻福太が袴よそふや土筆

     呂丸が旅にて死せしを悼む

    當歸よりあはれは塚の菫草

     大津にいづる時山路を越えて