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     おのが音の誰人となむ世にさたせられて老の後志賀の里にかくれ侍りしとなり今大津松本あたり智月といふ老尼の許に尋ねてかゝる事など語り出でけるついでおもしろければ

    少將の尼のはなしや志賀の雪

    雜炊に琵琶きく軒の嵐哉

    霰まじる帷子雪は小紋哉

    いざ子供走りありかん玉霰