芭蕉野分して盥に雨を聞く夜哉
猪もともに吹かるゝ野分かな
粟津晴嵐
さぞ野分人の粟立つ市の聲
母の白髮を拜みて
秋の霜
手にとらば消えん泪ぞあつき秋の霜
秋時雨
きのふからちよつ〳〵と秋の時雨かな
秋風
秋風や桐にうごいて鳶の霜
牛部屋に蚊の聲弱し秋の風
秋風や伊勢の墓原尙凄し