Page:Basho Haiku Zenshu.djvu/110

このページは校正済みです

    ゆく秋の尙たのもしや靑蜜柑

     憶老杜

    風髭を吹いて暮秋嘆ずるは誰子ぞ

     淸水の茶店にあそぶ

    松風の軒をめぐりて秋暮れぬ

     芝柏亭にて

秋深

    秋深き隣は何をする人ぞ

    秋淋し編笠着たる人の形

    秋十年かへりて江戶をさす古鄕

    見わたせば眺むれば見れば須磨の秋