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遠く来て遊びすごした童心の悔を蹈みつつあてどもあらぬ
硝子戸はぴしんと閉まりつかの間をひろがり消えるむなしさに澄む
夜もすがら青い臓腑をひき殺す情け容赦に泣き叫びつつ
天秤
頭蓋骨剝いでしまへばわが脳の襞はうつくしく畳まれてゐむ
あるときは神も悪魔も光らせしこの眼の球と手にのせて看よ
わがために南無阿弥陀仏と言ひし夜も人は眠るかその夜のごとく
たましひの寒がる
暗がりの天井にひろがる赤き花はらら燃えあがり燃えくづれ失せぬ
家の棟もさかさまになる夜の底に寝返りすれば骨きしむなり