實業科(じつげふくわ)(四學年(がくねん)のものにも此(こ)の科(くわ)あり)の一科(くわ)を課(くわ)せられたり。
右(みぎ)改正(かいせい)の趣旨(しゆし)を承(うけたま)はるに、アイヌの現狀(げんじやう)に適合(てきがふ)し、其(そ)の生活(せいくわつ)を安定(あんてい)ならしむる爲(た)めに出(い)でたるものにして、敎科目(けうくわもく)は實生活(じつせいくわつ)に密接(みつせつ)なるものを授(さづ)け、修業(しうげふ)年限(ねんげん)は之(こ)れを短縮(たんしゆく)し、卒業(そつげふ)を早(はや)からしめて、家(いへ)の手助(てだすけ)を爲(な)し、他日(たじつ)實業家(じつげふか)たらしむるを目的(もくてき)とせしに外(ほか)ならずと云(い)ふ。其(そ)の實際(じつさい)に適合(てきがふ)するや否(いな)やは、之(こ)れを措(お)き筆者(ひつしや)はアイヌの子弟(してい)が和人(わじん)と同樣(どうやう)の敎育(けういく)を受(う)くること能(あた)はざるを思(おも)ひて轉(うた)た悲(かな)しみに堪(た)へざるなり。
(四)學校敎育の現況
北海道(ほくかいだう)舊土人(きうどじん)保護法(ほごはふ)に依(よ)り、國費(こくひ)を以(もつ)て設(まう)けられたる舊士人(きうどじん)小(せう)