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族（ぞく）に及（およ）ぶと確信（かくしん）せり。是（こ）れ彼等（かれら）は理化學的（りくわがくてき）の知識（ちしき）極（きは）めて乏（とぼ）しく、且（か）つ迷信（めいしん）の深（ふか）きに因（よ）るなるべし。

（二）現今のアイヌと他の宗敎

　近年（きんねん）アイヌにして「キリスト」敎（けう）、又（また）は佛敎（ぶつけう）に入（い）るもの少（すく）なからず。之（こ）れが爲（た）め、酒（さけ）を暴飮（ばういん）することを戒（いまし）め、或（あるひ）は粗暴（そばう）なる性質（せいしつ）を矯（た）むる等（とう）種々（しゅ〴〵）の裨益（ひえき）を得（え）たり。是（こ）れ全（まつた）く傳道師等（でんどうしら）が、多額（たがく）の費用（ひよう）を惜（を）しまず、熱心（ねつしん）に布敎（ふけう）せられたる結果（けつくわ）にして誠（まこと）に感謝（かんしや）せざるを得（え）ず。然（しか）れども其（そ）の信徒（しんと）の中（うち）には往々（わう〳〵）眞（しん）に歸依（きえ）するにあらずして、唯（たゞ）世渡（よわた）りの爲（た）め、外見（ぐわいけん）を飾（かざ）るべき一（ひと）つの手段（しゆだん）として歸依（きえ）する者（もの）あり。其（そ）の證（しよう）としては次（つぎ）の如（ごと）き實例（じつれい）を、目擊（もくげき）することあり。卽（すなは）ち「キリス