ず。
神は山に、川に、海に、獸類に、鳥類に、木に、祖先に、太陽に月にと、多樣多種にして一樣ならざれば、多神敎たること勿論なりと雖も、其の本源を糺せば一つの神なりといふ。即ち「シーカントコロカムイ」是れなり。「シー」は大いなると云ふことにて最上の義。「カント」は天。「コロ」は所有と云ふことにて支配するの義。「カムイ」は神にして此の神は世界のすべての造物主なり。
「モシリ」(世界)の創造並に諸の神を信仰(崇拜)せし由來に就きて左の如き傳說あり。尤も地方によりて異る點無きにあらざるも、今日土人の首府と言はるゝ日高の國沙流に傳はる說は左の如し。
太古「シーカントコロカムイ」(造物主)が豫ねて部下の神々樣方に