一個(こ)の鍋(なべ)に水(みづ)を入(い)れ、火(ひ)の上(うへ)に懸(か)け、兩人共(りやうにんとも)手(て)を入(い)れ、熱(ねつ)の加(くは)はるにしたがひ、苦痛(くつう)を感(かん)じて堪(た)へがたく、手(て)を引(ひ)く方(はう)を以(もつ)て敗(まけ)とす。
勝(か)ちたる者(もの)は敗(ま)けたる者(もの)より「アシンペ」(〈つぐなひにて、寶物を以て罪を償ふ事〉)を取(と)るを法(はふ)とす。