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を模造（もざう）したるもの）珍（めづ）らしい「エペレアイ」（〈又は「ヘペレアイ」とも云ひ、熊祭に使用する花矢〉）おいしい、團子（だんご）と酒（さけ）とをたくさん背負（せお）ひ、父母（ふぼ）の許（もと）に歸（か）へりて、今（いま）まで厚（あつ）いお世話（せわ）になつたことや、たくさんのよい土產（みやげ）を頂戴（ちやうだい）せることを述（の）べるのでゐる。此（こ）の時（とき）老（らう）父母（ふぼ）は大層（たいそう）喜（よろこ）んで『アヽ左樣（さやう）か、おまへはよい所（ところ）で育（そだ）てられた。あそこの家（うち）の者（もの）は、心（こゝろ）が誠（まこと）に善（よ）い、おれだちも、あの家（いへ）の先代（せんだい）には、よく參（まゐ）つたものだ。こりや隱居（いんきよ）するまへに、一、二度（ど）遊（あそ）びに行（ゆ）かう、お前（まへ）も言（い）ふまでもないことであるが、よい友達（ともだち）を誘（さそ）つて、時折（ときをり）遊（あそ）びに參（まゐ）り、其（そ）の家（いへ）の「マウコピリカ」（好運（かううん））を計（はか）り、且（か）つ富（と）ませよ』と、親子（おやこ）は再會（さいくわい）を喜（よろこ）んで、之（こ）れより更（さら）に其（そ）の家（いへ）の幸福（かうふく）安泰（あんたい）を計（はか）るのである」

　右（みぎ）の次第（しだい）にて、子熊（こぐま）を飼（か）ふ目的（もくてき）は、熊（くま）の同情（どうじやう）を得（え）て獵（れふ）を多（おほ）くし、財（ざい）