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漸（やうや）く其（そ）の數（すう）減少（げんせう）せる傾向（けいかう）あり。是（こ）れ生存（せいぞん）競爭（きやうさう）に基（もとづ）ける優勝（いうしよう）劣敗（れつぱい）の眞（しん）理（り）ならんも、アイヌ種族（しゆぞく）にとりては誠（まこと）に悲（かなし）むべき現象（げんしやう）なり。

　此處（こゝ）に北海道（ほくかいだう）廳（ちやう）の記（き）錄（ろく）に據（よ）り、年（ねん）次（じ）別（べつ）に其（そ）の人口（じんこう）を比（ひ）較（かく）せんに、

文化年間…………………………二四、二〇〇

文政五年…………………………二一、六七八

安政元年…………………………一六、一三六

明治十年…………………………一六、九六六

明治四十年………………………一七、七一五

大正五年…………………………一八、六七四

　右（みぎ）の如（ごと）くにて文政（ぶんせい）五年（ねん）より大正（たいしやう）五年（ねん）まで凡（およ）そ百年間（ねんかん）に、五千五百餘（よ）人（にん）の減少（げんせう）せしを見（み）ては、其（そ）の亡國的民（ばうこくてきたみ）なることを切（せつ）に感（かん）ぜざ