武隈(たけくま)二氏(し)が益〻(ます〳〵)修養(しうやう)に努(つと)め、倦(う)まず撓(たゆ)まず、以(もつ)て同族(どうぞく)の爲(た)めに、十分(ぶん)盡(つく)す所(ところ)あらんことを切望(せつばう)す。
尙(な)ほ武隈(たけくま)氏(し)に望(のぞ)む所(ところ)は、氏(し)が今回(こんくわい)の著述(ちよじゆつ)に滿足(まんぞく)せず、子(し)弟(てい)敎育(けういく)の傍(かたはら)、益〻(ます〳〵)硏究(けんきう)して他(た)日(じつ)大(だい)著述(ちよじゆつ)を爲(な)さんこと是(これ)なり。アイヌに關(くわん)する事(こと)は、アイヌにあらざれば、會(ゑ)得(とく)し難(がた)きこと少(すく)なからず。此(この)點(てん)に就(つ)きて、予(よ)は特(とく)に武隈(たけくま)氏(し)に期(き)待(たい)するものなり。
大正七年五月