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に與ふるが如くなるべし。』

 然りと雖も、平和と歸順を促したる此の洪量なる勸吿も、遂に彼等の從ふ所とならず、飽くまて憲法を無視するに至り、奴隸の上に一大帝國を建設せんとするに至り、一國を擧げて鮮血の中に漂はさんとするに至り、局面こゝに一變して、リンコンの心も亦大なる變化を見たり。彼謂へらく、叛徒は直に征服すべからざる乎、十分の勝利を得るまで、戰爭は之を繼續せざるべからず。此の如き場合に於て國民を濟ふの道は、唯各處に存在する總奴隸を全廢するの一あるのみと。又謂へらく、一國二途に分れて、一方は奴隸の爲に聯邦分割を目的とせば、他の一方に於て爲すべきことは、奴隸を廢