んとするは余の禁へざる所也。天に在します我等の父は、愛兒の死より來る貴下の悲哀の一切は之を和らげ給ひて、最愛の記念の一切は、之を遺さしめ給はんことを、余は偏に祈禱し奉る。斯くまで高貴なる犧牲を自由の祭壇に捧げられしことを以て、貴下が嚴肅なる誇りたるべきことも、亦余の深く信ずる所也』。余は英國女皇の仁愛の資に富み給ひしことは能く之を知る。されど斯くまで情深き言葉を以て士卒の遺族を慰め給ひしことありや否やは、余の未だ知らざる所也。
世界は千八百六十三年の一月に至りて「奴隸解放令」の發布を見たり。此の令や、直に我等の同胞たる數百万の奴隸、法