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が姿勢の粗野なるは、彼が流離困頓の中に人と成りしを證する也。彼が凹める眼は陰欝悲哀の趣を備へたりき。休止の時の彼が面を打見たるに、最下の地位より最高の地位に彼を登せたる彼が腦力の非凡を示す證據とては見えざりき。壇に上る前、余に語りたるときの彼を思ふに中心絕えざるものあるが如く、恰も一個の少年辯士が、不慣の聽衆の批評を氣つかふが如きおももちありき。

 彼が演說を聽かんが爲に集まりたる無數の聽衆の中には、當代の俊豪多く、記者あり、牧師あり、政治家あり、法律家あり、商人あり、批評家ありき。彼等は皆彼が有名なる雄辯を聽かんことを熱望して來れる也。有力なる辯士として博した