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苔むす墓に朽ちたれど
彼の魂は進軍す。』
リンコンの齡は今方に五十一、此の荒原の兒、傭耕者たり、樵夫たり、舟子たり、測量手たりし者、辯護士たり、辯士たり、政治家たり、愛國者たる彼は、一國の命運已に窮して正に一轉向を要する危機に際し、一大政黨に推戴せられ、奴隸廢止の大任を帶びて一大共和國の主宰となれり。
活ける神の攝理ありて、常に國民の運命を支配することを信ずる者は、此の一個素樸の人の、高位に上りて能く其の重任を全くしたることに於て正しく意義ある聲援を得たるならん。歷史に於けるリンコンの地位に關して、我等の哲