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るが爲なり。

 オハイオ河以西の諸州に在りて辯護士たる者、また兼ねて政治家たらざるべからざるは當時の事情なりき。村、町、郡、州、次第に發達して中央政府の事務もまた漸く細密なるに從ひ、これ等より生起する問題の多くは、實に法律家の頭腦を要したりき。今日に在りては新聞紙の專有に屬する公共問題の評論なるものも、當時に於ては政談集會に於ける辯士のみ討議したる所なりき。されば機智あり、熱心あり、明快なる頭腦ある雄辯家は、其の法廷の內に在ると否とを問はず、常に民衆の注意を惹くべき好地位に立てり。今や人の耳目を喜ばしめ、好奇の心を滿たさしむる一切の具、備はらざ