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舟子となり、或は自ら物を積みてニューオーレンスに徃來したる事、これ彼が當時の生計なりし也。されど天は永く有用の人を無用の地に棄てざるもの乎、千八百三十二年、彼二十三歲の夏、社會は彼を認識せざるべからざる事件に遇へり。

 當時インデアンの酋長と白人との間に條約成りて、土人は悉くミシシッビーの西岸に移住することを承認せしに、獨りブラック・ホーク及び其の一味あり、固く之を拒みて亂を爲せり。リンコン此の時イリノイス州知事の召募せる義勇兵に應じて起ちたるが、擧げられて一隊の長となりぬ。彼の膂力は屢々同僚の間にためされて、復た彼と爭ふ者なき