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煖爐の光に照らし、木造の「シヤブル」の背に於て徐ろに文を作れり、書きて滿つれば更に之を削りて幾度となく練習せり。斯くして成年に至るや、彼は近隣の集會に到りて屢々雄辯を試みたり。一世を震憾せし彼が懸河の辯は、彼が自修の敎育より來りたる貴き結果の一にして、また彼の爲に成功の秘訣たりき。

 汽船あり、電信ありて地球の隅々に起りたる事件は、即時に人の知る所となる今の時勢に於て、當時世を離れたるインデアナのピージョン・クリークなる少年が、彼の周圍を脫却せんが爲に、如何に勇猛に精進したるか、を想像するは甚だ容易ならざるベし。彼は如何にして世界の光明に觸るゝ