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一言本書上梓の趣旨を辯じ、併せて本書作成の由來を考ふと云爾。

編者識


附言

本書の稿本は、已に淨書を經、直に印刷に附するを得べきまでに整へられたり。然るに本文中、當に接 續すべくして而も行を異にしたるもの往々にして之あり、今その何の故たるを知る能はず。乃ち原形を 存し、敢て私意を以て之を改めず。

原文皆句讀の外に訓點を施し、人名には右旁に單線、地名には左旁に單線、部族名には左旁に複線を施 す。然れども印刷の簡便を計りて訓點を省き、又悉く旁線を削り、たゞ名詞の連續するものに在りては、 其間に黑圈點を附し、以て一名なるか、數名なるかを明にす。句讀點の如きは固より一に原本に從ふ。

編者又識


欽定四庫全書提要。

皇元聖武親征錄一卷。兩淮鹽政採進本。

不著撰人名氏。首載元太祖︀初起、及太宗時事。自金章宗泰和三年壬戌、 始紀甲子、迄於辛丑、四十年。史記元世祖︀中統四年、參知政事修國史王 鶚、請延訪太祖︀事蹟、付史館。此卷、疑卽當時人所撰上者。其書、序述 無法、詞頗蹇拙。又譯語譌異、往往失眞、遂有不可盡解者。然以元史較 之、所紀元初諸事實、大槪本此書也。史言太祖︀滅國四十、而其名不具。 是書、亦不能悉載。知太祖︀時事、世祖︀時已不能詳、非盡宋濓王禕之掛漏 矣。


校正元聖武親征錄序。

元聖武親征錄、予始見於徐星伯太守處。相傳爲錢竹汀宮詹藏本、輾轉鈔得者。 繼又借得翁正三侍郎家藏本。予乃鈔存徐本、而以翁本校之、點勘一過。其書