給へとあれば。それは尤とて。すなはち方丈へ仰上られ。不生(ふしやう) 妙槃と道号(とうがう)をそへ下され。本(もと)の身がらを改(あらた)めず。念佛相(さう) 續(ぞく)せしが累(かさね)が怨(おん)念はれし故にや。其年より次第(したい)に田(てん) 畑(ばく)も実(み)のり。家(いゑ)も段〻(だん〳〵)にさかへ。子供も二人まてもふけ。今に 安全(あんせん)とぞ聞へける