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給へとあれば。それは尤とて。すなはち方丈へ仰上られ。不生ふしやう 妙槃と道号とうがうをそへ下され。もとの身がらをあらためず。念佛さう ぞくせしがかさねおん念はれし故にや。其年より次第したいてん ばくのり。いゑ段〻だんにさかへ。子供も二人まてもふけ。今に 安全あんせんとぞ聞へける

右此助が怨霊おんれうおなきくに取つきあまつさへさきかさね成佛しやうぶつまで云顕いゝあらわせる事なれば先聞せんもんにそへてつひ一具いちぐとなさんと思ひ顕誉上人けんよしやうにんじきの御物語を再三さいさん聴聞ちやうもん仕り其外羽生村はにうむらの者共のはなしをもほゝ聞合ききあは書記かきしるものならし
元禄三年午十一月廿三日
本石町三丁目山形屋吉兵衛開板