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にもかうをつくし。おつとにもよくしたがひ。げんぜあんおんに くらし。ごしやうにはごくらくへ参らんと思い。ずいぶんねんぶつ をわするなと。いとねんごろにしめしたまへば。其時に きくなぬしとしよりむかいて申やう。たゞ何とぞ御そしやうなさ れわらわをしゆつけさせてたべとぞねがひける。時にりやうにんことはをそろへ。和尚に向て又申やう。只今の仰せ御もつとも に候。さりながらおやおつとと二人の事は。我〻何とぞ さいかく仕りいか様成よめをもむかへ。金五郎にあわせ候 ひて。与右衛門をばかいほうさせ候はん。さてきくをばびくにに 仕。せうあんをもむすびあたへむらぢうときぼうずさだめ 申度候。其故は羽生村の者ども。年來ゐんぐわたうりをも。わきまへず。じやけんはういつにくらし候所に。此度 きくとくにより。みなぜんしんおこちうやごせのいとなみ を仕る事。これはひとへに此むすめの大おんにて候へば。いかにも かれがねがひのまゝに。ていばつなされ候はゝ。我々のほうおんぞんじ奉らんなどゝ。ことばをつくして申ける時和尚のたま わく。あら事くどし何といふ共。我はていはつせざるに まづはうじやうへも礼にあがり。十ねんもうけ候へとりやうを せりたて給へば。人〻ぜひなくかしこまつて候とて。すなはち方 丈に罷出。りやうやくしやを以て申上れば。みな召出さ れ。十念さづけたまひて。さて方丈の仰せには。きく よかまへて地獄極楽をわすれず。よく念佛して