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の仰せども一〻にかたりつたへ。扨下しつかわされたる御小 袖をきせんとすれば。菊がいわく。あらもつたいなし何 とてか。〳〵 せし がとも。かれこれとぬいなをし。さま〳〵に してこそきせ たりけれ。さてまた。弘經寺より。下されたる は申に ばず其外の をも一 にくらわず。たま〳〵少も せんとすればすなはち にみちふさがり。あるひは ひふをそんさす。惣じてこの を し正月始の より 三月中旬にいたるまて大かた 水のたぐひのみにてく らせしかども。さのみつよくやせおとろへもせざりけれ ば。人〻是をふしんして問けるに。何とはしらず口中 に 有て。外の に なしといへば。扨は の を。時〻 するにもやあらんとて。さながら より せる者かと。あやしみうやまひめぐむ事。かぎ りなし。
の御小袖を。我等が にもふれら れんといへば。 なりとて。後日に是を にぬい。 の にぞかけたりける。扨 の御ふるぎ 其外人〻よりあたへられたる をも、いろ- 石佛
- 石佛
同三月十二日〳〵に
すでに出來して にかきすゆればすなはち 御出有。そのほか寺中のしよけ衆など。おもひ