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ソウンナイ(現宗運)

 ソウンナイ(現宗運)は邦領以前より邦人の漁場で有る。

オソイコントマリ(現尾添)

 オソイコントマリの解、入江を稱したので恰も刄物を以て刳ぐり取りたる形を有し、オソイ深く刳ぐるの意義で有り此處には昔アイヌが住んで居りアイヌの大酋長が此處で生たのでアイヌ間には有名な處で有る。現在此處に邦人の漁業家は年々漁業に從事して居る。

 又露領時代は此處に、ペヨトルと云ふ露人が漁業權を得て露人が經營して居たのである。


三四、ロレー(露禮)

 ロレーの解、イルレーと稱する野草が此のロレーの附近に繁茂するを以て、イルレーヘの轉稱である。此地のアイヌは在來の者も有るがオゾイコニより轉住したのも居る。

 栖原當時はウコツテと云ふ、酋長は此部落の主宰者で有る。又露領時代はモニタハヌアイヌ改名內藤宗太が酋長となり露政廳より漁場一箇所を許可され前記の木村愛吉氏と同く北海道凾館の漁業家よ