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エタカイニトレヘ――イチゴ

カハカハ――草の實(色紅、食すればかりかりと云ふ)

チフトレー――山ブドウ(黑色秋期產す名有り)

サハトレヘ――山ブドウに似たもの

エノノカニトレヘ――通稱フレツプ

フウトレヘ――通稱アキヤナフレツプ

エチイチヤラ――通稱アタマハゲ

ニイボコニトレヘ――右の果實に似て小なり

 以上は日常の食用として重要果實なり、其他數種の果實あれ共餘り用ひられず。又之等の果實を夏秋採取し其中保存可能の物を貯藏し來客あれば是を調製して提供し又自家の食用となす。


一六、久春內に於て露人の亂暴

 明治初年の頃久春內に於て日露の衝突が起きた。アイヌにして其原因を知りたる者は無けれど、露