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ものである。アイヌ等は家の後面に穢物を捨てる事を忌ふのは此の故である。又大家になれば入口中央の左右に爐を設けてある。內部の周圍には色彩を施したるござを敷き依つて內部は構成される。斯くて、諸々の配置である窓としては煙出し兼用の空窓がある。寢臺には左翼の中央を主人の座席其左が妻子右の寢臺は客間とし其隅が寶物又は家神の安置所とされて居る。


一五、樺太アイヌの重要果實

果實を稱してその大半はトレヘと云ふ

ニイトレヘ――木の實

ニフンニトレヘ――ならの木の實

シケレバニトレヘ――シコロの木の實

ノンニトレヘ――五葉松の實

ウンチニトレヘ――サンチンの實

ララマニトレヘ――オンコの木の實