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 彼の一子に七十歲になるイモルトイと言ふ者現代(白濱土人部落)に健存して居る。

(二)露國人曰く(明治三十六年に於て)

 アイヌ種族の前身は歐羅巴人であるが熱帶地に居住した關係上自然白色の皮膚が黃色に變じたるものとの說

(三)アイヌは源氏の落武者

 アイヌは源氏の落武者の混血種なりと云ふもあり、又一方アイヌは南洋土人の混血だとの說もある。以上の說を言ひ來る理由は、何れも骨格容貌等が相似して居り、風俗習慣も又酷似の點あり。

 以上諸說の如くんばアイヌ人をして(アイニ人)と呼稱しては如何と考へられる。第一說に依る傳說は歐洲諸大家の說の如く人類の祖先は猿であるとの說と大同小異なるを想ふ。

(四)義經とアイヌ

 エトコタ(昔は)ヤイレ、シユボ(義經の事)タンモシリ、オホタ(此の島に)ヤユイケ(渡來して)アイヌ、ニシパ(アイヌの酋長)チセ、オツタ(家に居る)コホネクニ、ヤイカラ(聟となつた)ヘンパアパー(數年)アンテ(經て)タンシネアント(或日の事)チセオルンウタラ(家人の事)イ