Page:成沢玲川『米国物語』.djvu/6

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をも加へて世に出した所以は、幾分でも米國の事情を知つて頂き度いと思ふか らで、別に堂々と發表する程のものではないが、又捨て難き思もあつて終に上 梓することゝした。

附錄「米國歸りの日本觀」は今度初めて公表するもので、歸朝當時の印象を 土臺として書いて見た、初めは澤山に書く積りであつたが、時を經ると共に印 象が薄くなり終に書けなくなつて了つたので、玆に附錄として添えることにし た、幾分でも面白いと思つて下さる方があれば著者が望外の光榮である。

大正七年二月 著者識