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に知識分子より掃蕩せられたるごとく、日本の基督教もまた冷静なる科学的研究者の社会進化論によりて速やかにその呼吸を断たざるべからず。この編は著者の最も心血を傾注したるところなり。著者は今のすべての君主主権論者と国家主権論者との法理学をことごとくしりぞけ、現今の国体と政体とを国家学および憲法の解釈によりて明らかにし、さらに歴史学の上より進化的に説明を与えたり。著者はひそかに信ず。もし本書にして史上一片の空名に終わるなきを得るとせば、そはすなわち古今すべての歴史家をこぞりて不動不易の定論とせるところを全然逆倒し、書中自ら天動説に対する地動説といえるごとく歴史解釈の上における一個の革命たることにありと。この編は独立の憲法論として存在すると共に、