Page:国体論及び純正社会主義 帝国図書館 北輝次郎寄贈本.pdf/8

このページはまだ校正されていません

るもはなはだし。しかしながら本論はもとより宗教論にもあらず、また生物進化論そのものの説述が主題にあらざるは諭なく、人類社会という一生物種属の進化的説明なり。著者は、憐れむべきベンジャミン・キッドの『社会進化論』が人類社会を進化論によりて説明せるダー井ン以後の大著なりとして驚嘆されたるごとき今日、この編を成したるにつきていささかの自負を有す。

 第四編「所謂国体論の復古的革命主義」はすなわち日本の基督教につきて高等批評を加えたるものなり。すなわち、社会主義ほ国体に抵触するや否やの論争にあらずしてわが日本の国家其者の科学的攻究なり。欧米の国体論がダー井ン及びその後継者の生物進化論によりて長き努力の後