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を尊重せよと云ふてとなり――以上の槪括

第五編 社會主義の啓蒙運動

第 十 五 章

法理學上の國家と政治學上の國家とを混同するより生ずる權力階級と社會黨の惑乱――現今の國体に於て國家とは國民の全部なり――今日國家の意志たる者が上層階級なりと云ふてとを以て國家を否定すべからず――個人主義の革命論に於ては國家の否定は論理的可能なり――社會主義の革命は國家の否定にあらずして國家の意志が新たなる社會的勢力を表白することに在り――現今は經濟的階級國家の爲めに政治上に階級國家の實を表はしつゝあるなり――法律上の階級國家なと云は、論理上議會に入ることを拒絶せざるべからづ――