Page:国体論及び純正社会主義 帝国図書館 北輝次郎寄贈本.pdf/248

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眞意義――純正社會主義は個人主義の進化を繼承す――私有財産制と個人主義――社會主義は亦私有財産制の進化を繼承す――經濟上の獨立と政治上及び道德上の獨立――私有財産制度の高貴なる意義と民主々義――經濟的貴族國の現代として政治の自由なく道德の獨立なし――現社會に個人の自由なきは其の根底たる個人の私有財産なくなれるを以てなら――社會主義時代には個人は他の如何なる個人にも屬せずして社會に屬す――忠君と愛國――個人は社會に對する經濟的從屬關係より社會の幸福進化に努力すべき政治的道徳的義務を意識するに至る――賣買廢止は亦この理由による――献身的道德の武士道と素町人の利巳的道德との差は經濟的關係に於て責任を有すると有せざるとによる――國家社會に對する經濟的從屬關係より國家社會に對する献身的道德を生ず――個入社會と社會主義とを混同しつゝある奇観