Page:国体論及び純正社会主義 帝国図書館 北輝次郎寄贈本.pdf/160

このページはまだ校正されていません

理由――社會主義は分配論に重きを置かず――今日の分配的限光と共産時代――個人的分配の理論的不能――分配は生産に伴ふ――圓滿なる理想としての共産主義――淸貧の平分にあらず上層を引き下ぐるに非らず――社會主義は大生産によりてのみ實現さる――ツラストの資本家間のみの合同を更に全社會の合同となす――ツラストの浪費なき大ツラスト――生産權が個人の財産權たる今日と賣官制度――小企業家と小資本家の尙存在し得べしと云ふ事實とツラストが社會主義に至ると云ふ事實とは別問題なり――鵺的社會主義と純正社會主義


 實に土地及び生産機關の公有を正義と權利との名に於て主張する社會主義は社會の目的に適合する利益ならざるぺからず。故に本編に題せられたる社會主義の經濟的正義とは即ち社會主義の實現による經濟