Page:国体論及び純正社会主義 帝国図書館 北輝次郎寄贈本.pdf/16

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説の代表者として大學の降壇に據り智識階級に勢力を有すと云ふことのみの理由によりて指定したるもの多し。言責は固より負ふ。而しながら今の日本の大學敎授より一言の辨解たも来るか如き餘地を残し置くことあらば是れ著者が義務の怠慢にして辨解其事が本書の不面目なり。故に著者は或る學者――例へは丘氏の如き――に對しは固より充分なる尊敬を以てしたりと雖も、大體に於て――特に穂積氏の如きに對しては――甚しき侮弄を極めたる虐殺を敢行したり。斯くの如きは學術の戦場にヂュ子ーヴ條約なしと云ふが爲めにあらずして、今の學者等が長き間勝ち誇れる驕傲と陰忍卑劣とが招きたる復讐とす。

 文章は平易の說明を旨としたり。而しながら寛恕を請