Page:国体論及び純正社会主義 帝国図書館 北輝次郎寄贈本.pdf/15

このページはまだ校正されていません

ものなり。而しながら其の故を以て彼等の議論に敬意を有ずるや否やは自ら別問題なり。彼等の多くは軍に感情と獨斷とにより行動し、其の言ふ所も純然たる直譯の者にして特に根本思想は沸國革命時代の個人主義なり。即ち彼等は社曾主義者と云はんよりも社曾問題を喚起したる先鋒として充分に効果を認識せらるぺし。著者は杜曾民主々義の忠僕たらんが爲めに同情と背馳するの議論を徐儀なくされたるを遺憾とす。

 本書征服の目的なりと云ふ學者階級に至りては只以て可憐なりと云ふの外なし。率直の美徳を極度に發揮して告白すれば、除りに鶏を割くが如くにして徒らに議論の筆を汚辱ずるに過ぎさるの感ありと雖も、それくの學