Page:国体論及び純正社会主義 帝国図書館 北輝次郎寄贈本.pdf/14

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と云ものにあらず、またその民主主義はもとより「ルーソーの民主主義」と称するものにあらず。著者は當然に著者自身の社会民主主義を有す。著者は個人としては彼らより平凡なるは論なしといえども、社会の進化として見るときにおいてほ彼らよりも五十歳、百歳を長けたる自発禿頭の祖父・曾祖父なり。

 新しき主張を建つるには當然の路として旧思想に対して排除的態度をとらざるべからず。破邪は顕正に先だつ。ゆえに本書はもっぱら打撃的折伏的口吻をもって今のいわゆる学者階級に対する征服をもって目的とす。

 著者は絶大なる强力の壓迫の下に苦鬪しつゝある日本現時の社會黨に向って最も多くの同情を傾倒しつゝある