Page:国体論及び純正社会主義 帝国図書館 北輝次郎寄贈本.pdf/119

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憬じて無政府主義を唱ふる者の如きは論理的進行の當然にして、其の或者の爆烈彈に訴ふるが故に强力禁壓せらると雖も。現社會の『止むを得ざる害物』を個人主義に於て讚美しつゝある者は爆烈彈ようも大規模なる餓死に訴へて其の主義を實現しつゝある官許無政府黨員なり。社會主義にせよ、個人主義にせよ、其の現社會の經濟的貴族國なるを認るならば悉く反對の側に立たざるべからず。今日日本に於て一括して社會主義も目せらるゝものゝ中に依然として舊式の獨斷的自由平等論を爲しつゝある者を見るが如き其の個人主義者にして現社會革命の餘儀なきを認むる者の例なり。(故に彼等は廣き意味に於ける社會革命家と云ふべし後に說く)。


第 二 章

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