主文 編集

上告を全て棄却する。

上告費用は,原告(再審原告)らの負担とする。

理由 編集

原告(再審原告,以下原告と略称する。)ら訴訟代理人らの上告理由について判断する。

1. 原審は,再審対象判決に判決に影響を及ぼす重要な事項に関して判断を遺漏した再審事由があることを認めながらも,再審対象判決の正本が1990.12.22.当時原告ら訴訟代理人に送達された事実を認定した後,訴訟代理人のあった訴訟事件においてその判決正本が訴訟代理人に送達されたときは,特別の事情がない限り,その訴訟代理人は,その送達を受けた当時に,その判決に判断遺漏があるか否かを知っていたといえ,その訴訟代理人が判断遺漏の有無を知っていた場合においては,特別の事情がない限り,訴訟当事者も右判断遺漏の有無を知っていたものと解すべきものであるから,その確定判決に判断遺漏の再審事由があることを理由とした再審の訴えの提起期間は,訴訟代理人が判決の送達を受けたときから起算すべきものであるところ,本件再審の訴えは,1991.1.23.に提起され,原告ら訴訟代理人が再審対象判決の正本の送達を受けた日である1990.12.20.から30日が経過して提起されたものであり不適法であるといえ,また,民事訴訟法第422条第1項但書によれば,当事者が上訴によってその事由を主張し,又はこれを知りながら主張しなかったときには,再審の訴えを提起することができないものとされているところ,右規定においてこれを知りながら主張しなかったときというのは,当事者が再審事由の存在を知ったにも拘らず,上訴を提起しながらこれを上訴審において主張しなかった場合のみならず,上訴を提起せずに判決を確定させた場合も含むものであるといえ,判断遺漏のような再審事由は,判決を読むことによって容易に分かるものであるから,原告ら訴訟代理人に判決正本が送達されることによって,特別の事情のない限り当事者である原告らが判断遺漏の有無を知っていたものと解すべきものであるが,本件においては,原告らが再審対象判決に対して上告を提起せず,再審対象判決がそのまま確定された以上,原告らとしては,判断遺漏があることを理由として再審の訴えを提起することができなくなったとの理由で,原告らの本件再審の訴えを却下した。

2. 判決正本が訴訟代理人に送達されたときは,特別の事情がない限り,その訴訟代理人は,判決正本の送達を受けたときにその判決が判断を遺漏したか否かを知り得たと解すべきであるといえ,訴訟代理人がその判決が判断を遺漏したか否かを知ったときは,特別の事情がない限り,訴訟当事者もその点を知り得たと解すべきであるといえるから(当院 1963.6.20. 言渡 63다167 判決 ; 1988.6.28. 言渡 88누24 判決 ; 1988.12.27. 言渡 87누732 判決 ; 1990.4.27. 言渡 90再누27 判決等参照。)これと趣旨を同じくした原審の判断は正当であり,原告らが実際に再審対象判決の正本を見受け,その判決が判断を遺漏したか否かを知り得たのがいつであるかを,原審が職権で調査し,審理すべきであるとする論旨は,独自の見解に過ぎず,受け入れられない。

3. しかしながら,原審の判示したとおり,再審対象判決の正本が原告らの訴訟代理人に送達された後原告らが上告を提起しないまま上告期間が経過したことにより再審対象判決が確定されたとすれば,民事訴訟法第426条第1項に規定する30日の再審提起の期間は,再審対象判決が確定した日から起算しなければならないものであると解釈することが相当であるところ(当院 1982.10.12. 言渡 82누313 判決 ; 1991.2.12. 言渡 90누8510 判決等参照),再審対象判決は,その判決正本が訴訟代理人に対して送達された1990.12.22.から2週間の上告期間が経過した1991.1.6.に確定されたものであるから,1991.1.23.に提起された本件再審の訴えは,適法な最新定期の期間内に提起されたものであることが暦数上明らかである。それにも拘らず原審は,本件再審の訴えが原告ら訴訟代理人が再審対象判決の正本の送達を受けた日から起算して30日が経過した後に提起されたものであるから不適法であると判断したから,この点に関する限り,原審判決には,再審提起期間の起算日に関する法理を誤解した違法があるといわざるを得ない。

4. しかしながら,民事訴訟法第422条第1項但書によれば,当事者が上訴によって再審事由を主張し,又はこれを知りながら主張しなかったときは,再審の訴えを提起することができないものと規定されているところ,ここで「これを知りながら主張しなかったとき」というのは,再審事由があることを知っていたにも拘らず,上訴を提起しながら上訴審でその自由を主張しなかった場合のみならず,本件のように上訴を提起せず,判決がそのまま確定された場合までも含むものであると解釈すべきところであるが,特別の事情がない限り,訴訟当事者又は訴訟代理人が判決正本の送達を受けたときにその判決に判断遺漏の再審事由があることを知り得たと解すべきであることは,先立って2項で判断したところのとおりであるから,原告らが再審対象判決に対して上告を提起せずにその判決がそのまま確定された以上,原告らとしては,その判決が判決に影響を及ぼす重要な事項について判断を遺漏したことを再審事由として再審の訴えを提起することはできなくなったと解した原審の判決は,正当である。


5. そうすると,原審が本件再審の訴えが不適法なものであるとの理由で却下した結論は,結局正当なものであると解するほかないから,原告らの上告を全て棄却し,上告費用は,敗訴者負担とすることで関与裁判官の意見が一致し,主文のとおり判決する。

最高裁判所判事 ユングァン(裁判長) チェジェホ キムジュハン キムヨンジュン

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