1985年家庭裁判所設置令 (バングラデシュ)

この令は、家庭裁判所の設置及びこれに関連する事項について規定するものである。大統領は、1982年3月24日の宣言を踏まえ、その有するすべての権限を行使して、喜んでこの令を制定し、公布する。

第1条(略称、適用範囲及び施行日)

(1)この令は、1985年家庭裁判所設置令と呼ぶことがある。

(2)この令は、ランガマティ丘陵地帯、バンダバン丘陵地帯、カグラチャリ丘陵地帯の区域を除いて、バングラデシュ全域で適用する。

(3)この令は、政府が官報で通知することにより指定する日から施行する。

第2条(定義)

(1)この令においては、趣旨又は文脈に反するものがない限り、

(a)「法典」とは、1908年の民事訴訟法典を意味する。

(b)「家庭裁判所」とは、この令に基づいて設置された家庭裁判所をいう。

(c)「定められた」とは、この令に基づき制定された規則によって定められることをいう。

(2)この令で定義せずに用いる言葉および表現は、それぞれ法典が割り当てる意味を持つものとする。

第3条(他の法令に対する優先)

この令の規定は、当分の間、他の法令の規定に優先して効力を有する。

第4条(家庭裁判所の設置)

(1)家庭裁判所は、これを〔判事補〕裁判所と同数置かなければならない。

  • 1989年家庭裁判所設置令改正(1989年法律第30号)第2条により、「Munsifs」を「判事補」と改正。

(2)すべての〔判事補〕裁判所は、この令の家庭裁判所となるものとする。

  • 1989年家庭裁判所設置令改正(1989年法律第30号)第2条により、「Munsifs」を「判事補」と改正。

(3)すべての〔判事補〕は、家庭裁判所の裁判官となるものとする。

  • 1989年家庭裁判所設置令改正(1989年法律第30号)第2条により、「Munsifs」を「判事補」と改正。

第5条(家庭裁判所の管轄)

家庭裁判所は、1961年のイスラム教徒家族法令(1961年大統領令第8号)の規定に従い、次の各号の全部又はいずれかに関連し、又はこれに起因するすべての訴訟を審理し処理する排他的管轄権を有するものとする。

(a)婚姻の解消

(b)婚姻上の権利の回復

(c)婚資

(d)扶養

(e)子の親権及び監護

第6条(訴訟の係属)

(1)この令に基づくすべての訴えは、訴状が次の各号のいずれかにより定まる土地管轄を有する家庭裁判所に提出されることによって係属するものとする。

(a)請求原因の全部又は一部が生じた場所

(b)当事者が現に居住し、又は最後に同居した場所

婚姻の解消、婚資又は扶養を目的とする訴えについては、妻の常居所により定まる土地管轄を有する家庭裁判所も管轄権を有するものとする。

(2)管轄権のない裁判所に訴状が提出されたときは

(a)これを提出すべき裁判所にこれを移送するものとする。

(b)裁判所は、訴状を移送するときは、これが当該裁判所に提出された日及びこれを移送した日、これを提出した当事者の氏名並びに移送の理由の要旨をこれに裏書きするものとする。

(3)訴状には、争点に関連するすべての重要な事実を記載するものとし、訴状を裏付ける証言をすることが見込まれる証人予定者の氏名及び住所の一覧〔***〕を記載するものとする。

裁判所が証人に証言をさせることが司法の利益に資すると認めるときは、原告は、裁判所の許可を得て、いつでも何人でも証人として喚問することができる。

  • 1989年家庭裁判所設置令改正(1989年法律第30号)第3条により、「及び証人が否定すると見込まれる事実の簡潔な要約」を削除。

(4)訴状には、次の各号の事項も記載するものとする。

(a)訴えが提起された裁判所の名称

(b)原告の氏名、人物像及び住居所

(c)被告の氏名、人物像及び住居所

(d)原告又は被告が未成年者又は精神障害者であるときは、その影響の説明

(e)請求原因を構成する事実、その発生場所及びその発生日

(f)当該裁判所が管轄権を有することを示す事実

(g)原告が請求する救済

(5)原告は、自ら所持し又は権限を有する書証を自らの請求を裏付ける証拠として援用するときは、訴状を提出するときにその書証を裁判所に提示し、同時に記録に編綴するための原本又は謄本若しくは写真コピーを裁判所に提出する〔とともに、その書証の目録を訴状に付記し、又は添付する〕ものとする。

  • 1989年家庭裁判所設置令改正(1989年法律第30号)第3条により、「とともに、その書証の目録を訴状に付記し、又は添付する」を挿入。

(6)原告は、自ら所持せず又は権限を有しない書証を自らの請求を裏付ける証拠として援用するときは、その書証の目録を訴状に付記し又は添付するとともに、これを所持し又は権限を有する者を明らかにするものとする。

(7)訴状、証人予定者の一覧並びに第5項及び第6項に定める目録を提出するときは、その訴訟における被告の人数の2倍の通数の被告送達用謄本を併せて提出するものとする。

  • 1989年家庭裁判所設置令改正(1989年法律第30号)第3条により全文改正。

〔(8)訴状は、以下の理由により却下されるものとする。

(a)第7項に定める訴状、一覧又は目録の謄本を添付しないとき。

(b)第7条第5項に基づいて予納すべき呼出状の送達費用及び通知の郵送費用を予納しないとき。

(c)第22条に基づいて納付すべき訴え提起の手数料を納付しないとき。

(9)書証は、原告が訴状を提出する際に裁判所に提示すべき原本を提示せず、又は訴状に追記若しくは添付した目録に登載すべきであるのにこれをしなかったときは、裁判所の許可のない限り、当該訴訟の審理において、原告に有利な証拠としては受理されないものとする。

ただし、裁判所は、例外的な状況でなければ、本文の許可をしてはならない。〕

  • 1989年家庭裁判所設置令改正(1989年法律第30号)第3条により第7条第8項及び第9項を追加。

第7条(呼出状の発付及び通知)

(1)訴状が提出されたときは、家庭裁判所は、

(a)おおむね30日以内の日を被告が出頭すべき期日として指定するものとする。

(b)被告に対する呼出状を発付し、そこに明記された期日に出頭して請求に対する答弁をするよう求めるものとする。

(c)被告に対し、配達証明付き登録郵便をもって、訴訟通知を送付するものとする。

(2)第1項に基づき発付された呼出状及び訴訟通知には、いずれも訴状の写し〔並びに第6条第5項及び同条第6項に定める書証の目録の写し〕を同封するものとする。

  • 1989年家庭裁判所設置令改正(1989年法律第30号)第4条により「並びに第6条第3項に定める一覧、第6条第5項に定める書証及び第6条第6条に定める書証の目録」を「並びに第6条第5項及び同条第6項に定める書証の目録の写し」に改正。

(3)第1項b号に基づき発付された呼出状は、法典に関する政令第5号の規則第9、第10、第11、第16、第17、第18、第19、第19A、〔第20、〕第21、第23、第24、第26、第27、第28及び第29に規定する方法で送達するものとする。これによって送達された呼出状は、被告に対して正当に送達されたものとみなす。

  • 1989年家庭裁判所設置令改正(1989年法律第30号)第4条により、「第20,」を挿入。

(4)第1項c号に基づき送付された通知は、被告が署名したものと認められる配達証明を裁判所が受領したとき、又は被告が当該通知を含む郵便物を提示されたがその受領を拒否した旨の郵便従業員によるものと認められる付記のある上記郵便物が裁判所に返戻されたときに、被告に正当に送達されたものとみなす。

当該通知が適切な住所に宛てて、差出人払いにより、配達証明付き登録郵便をもって正当に発送されたときは、当該通知を発送した日から30日を経過したときに被告に正当に送達されたものとみなす。ただし、紛失、誤解その他理由の如何を問わず、裁判所が上記期間内に配達証明を受領しなかったときは、この限りでない。

(5)原告は、訴状を提出するときに、同時に、第1項b号に基づき発付される呼出状の送達費用(ただし、法典に基づく同種の通知の送達費用と同額でなければならない。)及び第1項c号に基づき送付される通知の郵便料金を予納するものとする。

第8条(主張書面)

(1)被告の出頭のために指定された期日には、原告及び被告は家庭裁判所に出頭し、被告は防御方法を記載した書面を提出するものとする。

〔裁判所は、正当な理由があると認めるときは、被告の願い出により、21日を超えない期間内で、被告が防御方法を記載した書面を提出すべき新たな期日を指定することができる。〕

  • 1989年家庭裁判所設置令改正(1989年法律第30号)第5条により後段追加。

(2)主張書面には、防御方法を裏付ける証言をすることが見込まれる証人予定者の氏名及び住所の一覧〔***〕を記載するものとする。

裁判所が証人に証言をさせることが司法の利益に資すると認めるときは、被告は、裁判所の許可を得て、いつでも何人でも証人として喚問することができる。

  • 1989年家庭裁判所設置令改正(1989年法律第30号)第3条により、「及び証人が否定すると見込まれる事実の簡潔な要約」を削除。

(3)被告は、自ら所持し又は権限を有する書証を防御方法を裏付ける証拠として援用するときは、主張書面を提出するときにその書証を裁判所に提示し、同時に記録に編綴するための原本又は謄本若しくは写真コピーを裁判所に提出する〔とともに、その書証の目録を主張書面に付記し、又は添付する〕ものとする。

  • 1989年家庭裁判所設置令改正(1989年法律第30号)第3条により、「とともに、その書証の目録を訴状に付記し、又は添付する」を挿入。

(4)被告は、自ら所持せず又は権限を有しない書証を自らの主張書面を裏付ける証拠として援用するときは、その書証の目録を訴状に付記し又は添付するとともに、これを所持し又は権限を有する者を明らかにするものとする。

〔(5)主張書面、証人予定者の一覧並びに第3項及び第4項に定める書証の目録を提出するときは、その訴訟における原告の人数の2倍の通数の謄本を併せて提出するものとする。〕

  • 1989年家庭裁判所設置令改正(1989年法律第30号)第5条により全文改正。

(6)主張書面、書証及び第5項に定める書証の目録の各写しは、裁判所に出頭した原告、その代理人又は弁護士に交付するものとする。

〔(7)書証は、被告が主張書面を提出する際に裁判所に提示すべき原本を提示せず、又は主張書面に追記若しくは添付した目録に登載すべきであるのにこれをしなかったときは、裁判所の許可のない限り、当該訴訟の審理において、被告に有利な証拠としては受理されないものとする。

ただし、裁判所は、例外的な状況でなければ、本文の許可をしてはならない。〕

  • 1989年家庭裁判所設置令改正(1989年法律第30号)第5条により第9項を追加。

第9条(当事者の不在廷の効果)

(1)被告の出頭のために指定された期日において、開廷の呼び上げがあった時に当事者のいずれも在廷しないときは、裁判所は、訴えを却下することができる。

(2)開廷の呼び上げがあった時に原告が在廷し、被告が在廷しない場合において、

(a)呼出状又は通知が被告に正当に送達されたことが証明されるときは、裁判所は、被告が在廷しないままで手続をすることができる。

(b)呼出状又は通知が被告に正当に送達されたことが証明されないときは、裁判所は、新たな呼出状及び通知を発して、被告宛てに送達させるものとする。

(c)呼出状又は通知が被告に送達されたことは証明されるが、被告の出頭のために指定された期日では被告が出頭して答弁をなし得るだけの十分な時間がないときは、裁判所は、訴訟の審理を〔21日以内の〕裁判所が指定する別の日に延期し、被告にその期日を通知するものとする。

  • 1989年家庭裁判所設置令改正(1989年法律第30号)第6条により「21日以内の」を挿入。

(3)裁判所が被告不在の審理を延期した場合において、被告が遅くともその審理の時までに出頭し、前回の不出頭について正当な理由を述べ、裁判所がこれを相当と認めるときは、被告は、被告の出頭のために指定された期日ですることができた答弁をすることができる。

(4)開廷の呼び上げがあった時に被告は在廷するが原告が在廷しないときは、被告が請求の全部又は一部に同意し、裁判所が当該同意に基づき被告に対する命令を発すべきときを除き、裁判所は訴えの全部を却下するものとし、請求の一部にのみ同意があったときは、その余の請求に係る訴えを却下するものとする。

(5)第1項の定めにより訴えが却下され、又は第4項の定めにより訴えの全部又は一部が却下された場合において、原告が訴え却下命令のあった時から30日以内に裁判所に対して訴え却下の取消しを申し立てるとともに、開廷の呼び上げがあった時に原告が在廷しなかったことについて十分な理由を述べたときは、裁判所は訴え却下を取り消すことができ、訴訟手続を行うための新たな期日を指定するものとする。ただし、第4項の定めによる訴え却下は、訴訟経済その他の観点から見て適当と考えられるときに限り、裁判所はこれを取り消すことができる。また、第4項の定めによる訴え却下は、被告にその取消しの申立てが送達されない限り、これを取り消すことができない。

(6)被告不在の審理により判決が下された場合において、被告が判決のあった時から30日以内に裁判所に対して判決の取消しを申し立てるとともに、開廷の呼び上げがあった時に被告が在廷しなかったことについて十分な理由を述べたときは、裁判所は、訴訟経済その他の観点から見て適当と考えられるときに限り、これを取り消すことができ、訴訟手続を行うための新たな期日を指定するものとする。ただし、裁判の性質上被告に対する部分のみを取り消すことができないときは、他の被告らの全部又は一部に対する部分も取り消すことができる。また、本項の定めによる取消しは、原告にその申立てが送達されない限り、これをすることができない。

(7)訴権の制限に関する法律(1908年法律第10号)5条の規定は、第6項に基づく申立てに準用する。

第10条(公判前手続)

(1)主張書面が提出されたときは、家庭裁判所は、原則として30日以内の日を訴訟の公判前審理のための期日として指定するものとする。

(2)公判前審理のための期日において、裁判所は、当事者が提出した訴状、主張書面〔 * * *〕及び書証を検認し、適当と認めるときは、当事者を審問するものとする。

  • 1989年家庭裁判所設置令改正(1989年法律第30号)第7条により「、(もしあれば)証拠の要約」を削除。

(3)公判前審理において、裁判所は、当事者間の争点を確認し、可能であれば、当事者間の和解又は調停の成立を試みるものとする。

(4)和解も調停も不可能なときは、裁判所は、当該訴訟における争点を整理し、〔原則として30日以内の〕証拠調べのための期日を指定するものとする。

  • 1989年家庭裁判所設置令改正(1989年法律第30号)第7条により「原則として30日以内の」を挿入。

第11条(非公開審理)

(1)家庭裁判所は、適当と認めるときは、この令に基づく手続の全部又は一部を非公開で行うことができる。

(2)訴訟の当事者双方が、訴訟手続を非公開で行うよう裁判所に求めるときは、裁判所は、訴訟手続を非公開で行うものとする。

第12条(証拠調べ)

(1)証拠調べのための期日において、家庭裁判所は、当事者が申し出た証人を、適当と認められる順序で尋問するものとする。

(2)裁判所は、いずれの当事者のための証人であっても、その出頭を求める召喚状を発付しないものとする。ただし、争点整理の後3日以内に当事者が裁判所に対して証人を裁判所を通じて召喚することを希望する旨を告げた場合において、当事者が証人を申し出ることが不可能であるか又は実際的でないものと裁判所が認めたときは、この限りでない。

(3)証人は、自ら供述して証拠を提示するものとし、反対尋問及び再主尋問が認められるものとする。

(4)裁判所は、卑わい、物騒若しくは軽薄と認め、又はその表現から侮辱し、挑発し若しくは不必要に攻撃的と思われるいかなる質問も禁止することができる。

(5)裁判所は、適当と認めるときは、事件において重大と考えられる点を解明するために、証人にいかなる質問もすることができる。

(6)裁判所は、いかなる証人に対しても、宣誓供述書により証言することを許可することができる。ただし、裁判所は、適当と認めるときは、その証人を呼び出して尋問することができる。

(7)裁判所の裁判長は、各証人の証言を法廷言語で書面にとりまとめ、その書面に署名するものとする。

(8)証人が法廷言語以外の言語で証言をした場合において、可能なときは、裁判長は、その言語で証言をとりまとめ、法廷言語による証言の認証された訳文を記録の一部として綴るものとする。

(9)証人の証言を取りまとめたときは、これを証人に閲読させ、必要があれば、これを訂正するものとする。

(10)証人が証言の一部の正当性を認めないときは、裁判長は、証言を訂正することに代えて、証人の申し立てた異議の覚え書きを作成することができ、必要と認める注釈を付するものとする。

(11)証言が原語とは異なる言語で取りまとめられた場合において、証人がその言語を理解しないときは、証人に対し、証言を原語又は証人が解する言語に通訳するものとする。

第13条(審理終結)

(1)全ての当事者の立証が終了した後、家庭裁判所は、改めて当事者間の示談又は和解を試みるものとする。

(2)そのような示談又は和解が不可能なときは、裁判所は判断を示す旨を宣告し、〔直ちに、又は7日を超えない日を定めて当事者又はその代理人又は弁護士に対し適切に通知し、〕判決を下すものとする。

  • 1989年家庭裁判所設置令改正(1989年法律第30号)第8条により「直ちに、又は7日を超えない日を定めて当事者又はその代理人又は弁護士に対し適切に通知し、」を挿入。

第14条(合意裁判)

紛争が示談又は和解によって解決されたときは、裁判所は、両当事者間で合意された示談又は和解に沿って、訴訟の判決を下し、又は決定をする。

第15条(決定の書式)

(1)家庭裁判所のすべての決定又は命令は、裁判長がこれを記載し、又は当該裁判官がこれを公開法廷で宣告する際にその口述を法廷言語により記載し、当該裁判官が日付を記載して署名するものとする。

(2)不服を申し立てることのできるすべての裁判及び命令には、結論を左右する論点、その論点に対する判断及びその判断の理由を含むものとする。

第16条(判決の施行)

(1)家庭裁判所は、所定の様式及び方法で判決を下し、その内容を所定の判決登録簿に登録するものとする。

(2)裁判所の面前で判決の履行として金銭が支払われ、又は財物が引き渡されたときは、裁判所は、その支払又は引渡のあった事実を前述の登録簿に登録するものとする。

〔(3)判決が金銭の支払に関するものである場合において、認容額が裁判所の定める期間内に支払われなかったときは、判決は、判決の所持者が履行期間の経過から1年以内にする申立に基づき、次のとおりの方法により執行され、この執行により取り立てられた認容額は判決の所持者に支払われるものとする。

(a)民事訴訟に基づき民事裁判所がした金銭の支払を命ずる判決と同様の方法

(b)1898年刑事訴訟法典(1898年法律第5号)に基づき治安判事がした罰金の支払命令と同様の方法

(3A)第3項a号に基づき判決を執行するために、裁判所は民事裁判所とみなされ、民事裁判所の民事訴訟法典に基づくすべての権限を有するものとする。

(3B)第3項b号に基づき判決を執行するために、家庭裁判所の裁判官は第一級治安判事とみなされ、第一級治安判事の1898年刑事訴訟法典(1898年法律第5号)に基づく全ての権限を有するものとし、同法典に定める罰金徴収方法で認容額を取り立てる令状を発付することができ、令状の執行後に未払の認容額があるときは、判決の債務者に対し、その全部又は一部を支払わせるために、3か月を超えない期間又はそれより早く支払をしたときはその支払の時まで、監置を命ずることができる。

(3C)判決が金銭の支払に関するものでないときは、判決を民事裁判所の金銭に関しない判決として執行するものとし、その目的のために、裁判所を民事裁判所とみなし、民事裁判所の民事訴訟法典に基づくすべての権限を有するものとする。〕

  • 1989年家庭裁判所設置令改正(1989年法律第30号)第9条により、従前の第3項を第3項、第3A項、第3B項及び第3C項のとおり改正。

〔(4)判決は、これを下した家庭裁判所又はこれを下した裁判所から執行のためにその移送を受けた他の家庭裁判所が執行するものとし、判決の執行においては、受移送裁判所は、判決を下した裁判所がこれを下したときに有するすべての権限を有するものとする。〕

  • 1989年家庭裁判所設置令改正(1989年法律第30号)第9条により、第4項を全文改正。

(5)裁判所は、適当と認めるときは、その下した判決に基づく金銭の支払を適当と認める方法により分割して行うよう命ずることができる。

第16A条(家族裁判所による暫定命令)

〔訴訟のいずれの段階においても、家族裁判所は、宣誓供述書などにより当事者が訴訟の目的を妨げることを防ぐために緊急の措置をとるべきものと確信するときは、適当と認める暫定命令をすることができる。〕

  • 1989年家庭裁判所設置令改正(1989年法律第30号)第10条により第16A条を挿入。

第17条(上訴)

(1)家庭裁判所の決定、判決及び命令に対する上訴は、第2項の規定に従い、県判事裁判所に対して行うものとする。

(2)家庭裁判所の次の判決に対しては、上訴をすることができない。

(a)1939年イスラム教徒婚姻法(1939年法律第8号)第2条第8項d号に定める理由による婚姻解消事件についての判決を除く、婚姻解消事件の判決

(b)5000タカを超えない婚資事件についての判決

(3)本条に基づく上訴は、決定、判決又は命令のあった時から30日以内(その裁判の正本を取得するために必要な期間を除く。)に提起しなければならない。ただし、県判事裁判所は、十分な理由があるときは、この期間を伸長することができる。

(4)上訴は、

(a)書面で行うものとする。

(b)上訴人が決定、判決又は命令を争おうとする理由を明記するものとする。

(c)当事者の氏名、人物像及び住所を記載するものとする。

(d)上訴人が署名するものとする。

(5)上訴状には、上訴を提起する裁判所の決定、判決又は命令の認証正本を添付するものとする。

(6)県判事裁判所が下した命令は、できるだけ早く、これに従って決定、判決又は命令を変更又は修正すべき家庭裁判所に伝達するものとし、判決登録簿の適当な欄にその効果に関する必要な記載をするものとする。

〔(7)県判事裁判所は、上訴を審理及び処理させるため、これを追加県判事裁判所又は次席判事裁判所に移送することができ、当該裁判所から当該上訴を引き上げることができる。〕

  • 1989年家庭裁判所設置令改正(1989年法律第30号)第11条により第7項を追加。

第18条(家庭裁判所の証人喚問権)

(1)家庭裁判所は、いかなる者に対しても召喚状を発して出頭し証言をするよう求め、いかなる書証であっても提出し又は作成するよう求めることができる。ただし、

(a)民事訴訟法典第133条第1項に基づき本人出頭を免除される者に対しては、本人の出頭を求めないものとする。

(b)家庭裁判所は、証人の出席を確保するために状況に照らして不合理なまでの遅延、費用又は不便が不可避と認めるときは、証人の召喚を拒み、又は証人に対して既に発付した召喚状の執行を拒むことができる。

(2)いかなる者であっても、家庭裁判所が召喚状を発して出頭し証言をするよう求め、若しくは書証を作成するよう求めたにもかかわらず、召喚に故意に従わないときは、裁判所は、その不服従を考慮し、弁解の機会を与えたうえで、100タカを超えない過料を課することができる。

第19条(家庭裁判所侮辱罪)

正当な理由がないのに、次の行為をした者は、家庭裁判所侮辱罪に当たるものとし、家庭裁判所は、その者を直ちに家庭裁判所侮辱罪で審理し、200タカを超えない過料を課することができる。

(a)家庭裁判所を侮辱した者

(b)家庭裁判所の職務を妨害した者

(c)家庭裁判所がした質問に対し、これに回答する義務があるにもかかわらず、回答を拒否した者

(d)家庭裁判所において、真実を述べる旨の宣誓を拒み、又は自らの供述に係る供述録取書に署名することを拒んだ者

第20条(特定の法律の適用及び不適用)

(1)この令による、又はこの令に基づく別段の定めがない限り、1872年証拠法(1872年法律第1号)及び民事訴訟法典は、同法典第10条及び第11条を除き、家庭裁判所の手続には適用されないものとする。

(2)1873年宣誓法(1873年法律第10号)は、家庭裁判所におけるすべての手続に適用されるものとする。

第21条(代理人による出頭)

この令に基づき出頭を求められた者が、男性から隔離された婦人 ( a pardahnashin lady ) であるときは、家庭裁判所は、その者が証人であるときを除き、その者が正当な権限を有する代理人によって出頭することを許可することができる。

第22条(裁判手数料)

いかなる種類の訴訟についても、家庭裁判所に提出されるすべての申立てについての裁判手数料は、25タカでなければならない。

第23条(1961年大統領令第8号に対する不影響)

(1)この令のいかなる規定も、1961年イスラム教徒家族法令(1961年大統領令第8号)の規定又はこれに基づく規則に影響を及ぼすものと解釈してはならない。

(2)家庭裁判所がイスラム教徒法の下で挙式した婚姻の解消を命ずる判決を下したときは、裁判所は、判決を下してから7日以内に、家庭裁判所は、配達証明郵便をもって、1961年イスラム教徒家族法令(1961年大統領令第8号)第7条に述べる適当な議長に同じものの認証正本を送付するものとする。当該議長は、当該正本を受領したときは、同令に基づいて行われるべき離縁状 ( talaq ) の通知を受領したときと同様の手続をとるものとする。

(3)イスラム教徒法の下で挙式した婚姻の解消を命ずる家庭裁判所の判決は、

(a)議長が第2項に基づいてその正本を受領した日から90日が経過するまで効力を生じず、

(b)a号で定める期間内に当事者間に1961年イスラム教徒家族法令(1961年大統領令第8号)の規定に従って和解が成立したときは、効力を生じない。

第24条(家庭裁判所は1890年法律第8号の県裁判所とみなす)

(1)家庭裁判所は、この令による定めにかかわらず、1890年後見人及び被後見人法(1890年法律第8号)のための県裁判所とみなし、同法に定める事項の取扱については、同法に定める手続に従う。

(2)1890年後見人及び被後見人法(1890年法律第8号)による定めにかかわらず、同法に基づき家庭裁判所が県裁判所として行った命令に対する上訴は、県判事裁判所に対して行うものとし、かかる上訴には第17条の規定を適用するものとする。

第25条(訴訟及び上訴の移送及び自庁処理)

(1)高等裁判所部は、当事者の申請により又は職権で、書面による命令により、

(a)この令に基づく訴訟を、ある家庭裁判所から同一県内の別の家庭裁判所に移送し、又はある県の家庭裁判所から別の県の家庭裁判所に移送することができる。

(b)この令に基づく上訴を、ある県の県判事裁判所から別の件の県判事裁判所に移送することができる。

(2)県判事は、当事者の申請により又は職権で、書面による命令により、この令に基づく訴訟を、ある家庭裁判所から当該判事の管轄地域の範囲内で別の家庭裁判所に移送することができる。

(3)この令による定めにかかわらず、県判事は、この令に基づき係属中の上訴を、当該判事の管理監督下にある追加県判事裁判所又は次席判事裁判所に移送することができ、当該上訴を受移送裁判所から自庁に再移送することができる。

(4)本条に基づいて訴訟又は控訴の移送を受けた裁判所は、この令による定めにかかわらず、それが自庁で開始され又は提起されたのと同様に処理する管轄権を有するものとする。訴訟が移送されたときは、後任の裁判官の下で最初から手続を開始することを要しない。ただし、当該裁判官が理由を書面で示して別段の指示をしたときは、この限りでない。

(5)県判事は、書面による命令により、当該判事の管轄の地域的範囲にある家庭裁判所に係属する訴訟を自ら処理することができる。

(6)高等裁判所部は、書面による命令により、家族裁判所又は県判事裁判所に係属する訴訟又は上訴を自ら処理することができる。

第26条(規則制定権)

政府は、官報で告知することにより、この令の目的を実行するための規則を制定することができる。

第27条(係属中の事件に関する規定)

この令の規定にかかわらず、この令の施行までに裁判所に係属した第5条に規定する事項に関連する訴え、上訴その他の訴訟は、従前の裁判所において、この令が施行されていないものとみなして、審理し処理するものとする。

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