1イエズス、キリストの默示、卽ち必ず速に成るべき事を其僕等に明さしめんとて、神はイエズスに賜ひ、イエズス又其使を遣はして其僕ヨハネに示し給ひ、
2ヨハネは神の御言を證し、又イエズス、キリストの證明し給ひし事、總て己が目擊せし事を證したるものなり。
3此預言の言を讀み且聞きて、是に錄したる事を守る人は福なり、其は時近ければなり。
4ヨハネ[小]アジアにある七敎會に[書簡を贈る]。願はくは現に在し、曾て在し、且來り給ふべきものより、又其玉座の前に在る七靈より、
5又イエズス、キリストより、恩寵と平安とを汝等に賜はらん事を。卽ちイエズス、キリストは忠實なる證者、死者の中より先ちて生れ給ひしもの、地上の王等の君に在し、我等を愛し給ひ、御血を以て我等を罪より潔め給ひ、
6我等を以て其父にて在す神の爲に國と爲し祭司と爲し給ひしものにして、光榮と權威と是に在りて世々に限なし、アメン。
7看よ彼は雲に乘りて來り給ふ、凡ての目及び彼を刺貫きし人々も之を見ん、地上の萬民彼の故に歎かん。然り、アメン。
8現に在し、曾て在し、且來り給ふべき全能の神にて在す主曰く、我はアルファなり、オメガなり、始なり、終なり、と。
9汝等の兄弟にして、キリスト、イエズスに於て患難と國と忍耐とを共にせる我ヨハネ、神の御言の爲、及びイエズスを證し奉らん爲に、パトモスと云へる島に在りしが、
10或主日に當り、氣を奪はるるが如くになりて、我後に喇叭の如き大いなる聲を聞けり、
11曰く、汝見る所を書に記して、アジアなるエフェゾ、スミルナ、ベルガモ、チアチラ、サルヂス、フィラデルフィア、ラオヂケアの七敎會に贈れ、と。
12我己に語れる聲を見んとて顧みしが、顧みれば七の金の燈臺あり、七の金の燈臺の中央に當りて人の子の如きものあり、
13足まで垂れたる衣を着し、胸に金の帶を締め給ひ、
14御頭と髮毛とは白き羊の毛の如く又雪の如く白く、御目は燃ゆる焔の如く、
15兩の御足は熱き爐に於る青銅の如く、御聲は大水の音の如く、
16右の御手には七の星を持ち給ひ、御口より兩刃の利き剣を出し、御顏は日盛に照輝ける太陽の如し。
17我之を見るや、死せるが如く御足下に倒れしが、右の御手を我に觸けて曰ひけるは、懼るる勿れ、我は最初のものにして又最終のものなり、
18我は活けるものにして死したりしものなり。看よ我は世々に限なく活きて、死と地獄との鍵を有てり、
19然れば汝が既に見し事、現にある事、此後あるべき事、
20又我右の手に見し七の星の奧義と、七の金の燈臺の奧義とを書記せ、七の星は七敎會の天使にして、七の燈臺は七敎會なり。
1エフェゾ敎會の天使に斯く書遣れ、右の御手に七の星を持ち、七の金の燈臺の中央に步み給ふもの曰く、
2我は汝の業と働と忍耐とを知り、又汝が惡人を忍び得ざる事と、自ら使徒と稱しつつ然らざる人々を試みて其僞れる者たるを認めし事と、
3汝の忍耐ある事と、我名の爲に患難を忍びて倦まざりし事とを知れり。
4然れども汝に咎むる所あり、卽ち汝は最初の愛を離せり、
5然れば其何處より墮落せしかを思ひ、改心して最初の業を爲せ。若然らずして改心せずば、我汝の許に至り、汝の燈臺を其處より取除かん。
6然りながら汝に長所あり、卽ちニコライ黨の業を憎める事にして、我も亦之を憎めるなり。
7耳ある者は[聖]靈の諸敎會に曰ふ所を聞け、卽ち勝利を得たる人には我わが神の樂園に在る生命の樹の果を食せしめん。
8又スミルナ敎會の天使に斯く書遣れ、最初のものにして最終のものたり、且死したりしに活き給へるもの曰く、
9我は汝の患難と貧窮とを知れり、然れど汝は富めり。又自らユデア人と稱しつつ、然らずして、却てサタン敎會たる人々に罵らるるなり。
10受けんとする苦を一も懼るる事勿れ、看よ惡魔は汝等を試みんとて、汝等の幾人を監獄に入るべく、汝等は十日の間患難に遇はんとす。汝等死に至るまで忠信なれ、然らば我生命の冠を汝に與へん。
11耳ある者は[聖]靈の諸敎會に曰ふ所を聞け、卽ち勝利を得たる人は第二の死に害せられじ。
12又ベルガモ敎會の天使にかく書遣れ、兩刃の利き剣を持ち給へるもの曰く、
13我は汝の何處に住むかを知れり、卽ちサタンの座の有る處なり。然るに汝我名を保ちて、我忠信なる證人アンチパスが汝等の中なるサタンの住む處にて殺されし時すら、汝は我に於る信仰を否まざりき。
14然れども少しく汝に咎むべき事あり、卽ち汝の處にはバラアムの敎を保てる人々あり、彼は禁物を食せしめ又私通せしめん爲に、躓く物をイスラエルの子等の前に置くべしと、バラクに敎へ居りしが、
15斯の如く汝の地にニコライ黨の敎を保てる人々あり。
16汝も亦改心せよ、然らずんば我速に汝の許に至り、我口の剣を以て彼等と戰はん。
17耳ある者は[聖]靈の諸敎會に曰ふ所を聞け、卽ち勝利を得たる人に我隱れたるマンナを與へ、又白き石に新しき名を記して與へん、其名は白き石を受くる者の外之を知る者なし。
18又チアチラ敎會の天使に斯く書遣れ、神の御子、卽ち御目は焔の如く、御足は青銅の如くに在すもの曰く、
19我は汝の業と信仰と、愛と務と忍耐と、又後の業の前の業より多き事とを知れり。
20然れども聊汝に咎むべき所あり、卽ち汝は預言者と自稱する婦人イエザベルの、我僕等を敎へ且惑はして、私通せしめ偶像に獻げられし物を食せしむるを措けり。
21我彼婦人に改心すべき暇を與へたれど、敢えて其私通より改心せず、
22看よ、我彼を床に臥さしむべく、又彼と共に姦淫を爲す人々にして、己が業より改心せずば、大いなる患難に遇ふべく、
23我又彼が子等を擊殺すべく、斯て諸敎會は我が人の心腸を探るる者たるを知るに至るべく、我又汝等に各其業に應じて報ゆる所あらん。而して汝等、
24卽ちチアチラに在る他の人々に謂はん、總て彼敎を有たざるもの、所謂サタンの奧義を知らざるもの我汝等に他の荷を負はせじ。
25但汝等が有てる所を我が來るまで保て、
26而して勝利を得て、終まで我業を守りたる人には、與ふるに諸國民に對する權威を以てすべし、
27彼は鐵の杖を以て之を治め、彼等は土器の如くに碎かれん、
28猶我にも我父より賜はりたるが如し。而して我亦彼人に曉の明星を與ふべし。
29耳ある者は[聖]靈の諸敎會に曰ふ所を聞け。
1又サルジス敎會の天使に斯く書遣れ、神の七靈と七の星とを持ち給へるもの曰く、我は汝の業を知れり、卽ち汝は活くるの名ありて而も死せるなり、
2警戒して將に死せんとする殘を堅固ならしめよ、其は我汝の業が我神の御前に圓滿ならざるを認むればなり。
3然れば汝曾て受けし所聞きし所の如何なりしかを思起し、之を守りて改心せよ、汝警戒せずんば、我盜人の如く汝の許に至るべく、汝は其何れの時に至るかを知らじ。
4然りながらサルジスに於て己が衣裳を汚さざりしもの、汝等の中に數人あり、彼等は白衣を着て我と共に步まん、其は之に値する者なればなり。
5勝利を得たる人は斯の如く白衣を着せらるべく、我其名を生命の名簿より消さず、我父の御前にも其使等の前にも、彼の名を宣告すべし。
6耳ある者は[聖]靈の諸敎會の曰ふ所を聞け。
7又フィラデルフィア敎會の天使に斯く書遣れ、聖にして信實にて在すもの、ダヴィドの鍵を有し給ひて、開き給へば誰も閉づる事なく、閉ぢ給へば誰も開く事なきもの曰く、
8我は汝の業を知れり。看よ、誰も閉ぢ得ざる門を我汝の前に開き置けり、其は汝力乏しと雖も、我言を守りて我名を否まざりし故なり。
9看よ我サタン敎會の中より、自らユデア人と稱しつつ然らずして僞れる人々を與ふ、看よ、我彼等をして至りて汝の足下に拜伏せしむべく、斯て彼等は我が汝を愛したる事を知るべし。
10汝わが忍耐の言を守りし故に、我も亦汝を守りて、地上に住める人々を試みん爲に全世界に來るべき試の時に之を免かれしめん。
11看よ我速に至る、汝が既に有てるものを保ちて、汝の冠を誰にも奪はるる事勿れ。
12我勝利を得たる人をして我神の聖殿に於る柱たらしめん、斯て彼は最早外に出づる事なかるべく、我彼の上に書記すに、我神の御名と我神の都、卽ち天より降だれる新しきエルザレムの名と、我が新しき名とを以てすべし。
13耳ある者は[聖]靈の諸敎會に曰ふ所を聞け。
14又ラオディケア敎會の天使に斯く書遣れ、アメンなるもの、神の造物の最初にして、忠信眞實にて在せる證者曰く、
15我汝の業を知れり、卽ち汝は冷かなるにも非ず熱きにも非ざるなり、寧冷かに或は熱くあらばや。
16然れど汝は冷かにも熱くも非ずして溫きが故に、我は汝を口より吐出さんとす。
17蓋汝自ら、我は富めり、豐かにして乏しき所なし、と言ひつつ、其實は不幸にして憫むべく、且貧しく且瞽にして且赤裸なるを知らざるなり。
18我汝に勸む、火にて驗されし金を、富まん爲に我より買へ、又身に纏ひて汝が赤裸の恥を顯さざらん爲に、白き衣裳を買へ、又見る事を得ん爲に、汝の目に目藥を塗れ。
19我は我が愛する人々を責め且懲らすなり、然れば奮發して改心せよ。
20看よ、我門前に立ちて敲く、我聲を聞きて我に門を開く人あらば、我其内に入りて彼と晚餐を共にし、彼も亦我と共にすべし。
21勝利を得たる人をして、我玉座に我と共に坐するを得しめん事、猶我が勝利を得て我父と共に其玉座に坐せるが如くなるべし。
22耳ある者は[聖]靈の諸敎會に曰ふ所を聞け、と曰へり。
1其後我見たるに、折しも天に開けたる門あり、而して我が初に我に語るを聞きし喇叭の如き聲言ひけるは、此處に登れ、我此後に成るべき事を汝に示さん、と。
2斯て我忽ち氣を奪はれたるが如くになりしに、折しも天に一の玉座備へられ、其玉座の上に坐し給ふものありて、
3其坐し給ふものは碧玉及び赤條瑪瑙の象の如く、又玉座の周圍に綠玉の象の如き虹ありき。
4然て玉座の周圍に廿四の高座あり、其高座の上には白衣を纏ひて頭に金冠を戴ける廿四人の翁坐し居れり。
5斯て玉座より電光と數多の聲と雷鳴と出でつつありしが、玉座の正面には輝く七の燈火あり、是卽ち神の七靈なり。
6又玉座の前に水晶に似たる玻璃の海あり、玉座の中央と周圍とに、前後共に目にて滿ちたる四の動物ありき。
7第一の動物は獅子の如く、第二の動物は犢の如く、第三の動物は人の如き顏ありて、第四の動物は飛ぶ鷲の如し。
8此四の動物各六の翼ありて、内外共に目にて滿ち、晝夜絕間なく、聖なる哉、聖なる哉、聖なる哉、曾て在し、今も在し、又將に來り給ふべき全能の神にて在す主よ、と言ひ居れり。
9斯て此四の動物、玉座に坐し給ひて世々に限なく活き給ふものに、光榮と尊崇と感謝とを歸し奉るに、
10廿四人の翁、玉座に坐し給ふものの御前に平伏し、世々に限なく活き給ふものを禮拜し奉り、己が冠を玉座の前に投じつつ、
11主にて在す我等の神よ、主こそは光榮と尊崇と能力とを受け給ふべけれ、其は御自ら萬物を創造し給ひ、萬物の存在にして創造せられしは御旨によればなり、と言ひ居れり。
1我又玉座の上に坐し給ふものの右の御手の上に、内外に文字ありて七の印を以て封ぜられたる卷物を見、
2又一の强き天使の聲高く、卷物を開きて其封印を解くに堪ふる者は誰ぞ、と布告するを見たり。
3而も天にも地上にも地下にも、卷物を開きて之を眺むる事だに能くする者なかりき。
4斯て誰も卷物を開きて見るにすら堪へたりと認めらるる者なきにより、我大いに泣き居たりしかば、
5翁の一人我に謂ひけるは、泣く勿れ、看よやユダ族の獅子ダヴィドの萌蘗、勝利を得て卷物を開き、其七封印を解くを得給ふと。
6我見たるに、折しも玉座と四の動物との中央、翁等の中央に屠られたるが如き羔立ちて、是に七の角あり、又全世界に遣られし神の七靈なる七の眼あり。
7羔來りて玉座に坐し給ふものの右の御手より卷物を受けしが、
8其卷物を受くるや、四の動物と廿四人の翁とは羔の前に平伏し、各琴[の如きもの]又聖人等の祈なる香の充ちたる金の香爐を持ちて、
9新しき贊美歌を謳ひ、主よ汝は卷物を受けて其封印を解くに堪へ給へり、其は屠られ給ひて、御血を以て、神の爲に諸族、諸語、諸民、諸國の中より人々を贖ひ、
10之を我等の神の爲に王たらしめ司祭たらしめ給ひたればなり、彼等は地上を統治すべし、と言ひ居れり。
11我尙見たるに、玉座と動物と翁等との周圍に在る、多くの天使の聲を聞けり、其數萬々億々にして、
12聲高く言ひけるは、屠られ給ひし羔は、權威と富有と、叡智と能力と、尊貴と光榮と祝福とを受くるに堪へ給ふものなり、と。
13又天にも、地上にも地下にも、海上にも何處にも、被造物の悉く言へるを聞けり、玉座に坐し給ふものと羔とに、祝福と尊貴と、光榮と權能と、世々に限なし、と。
14而して四の動物はアメンと言ひ、廿四人の翁は平伏して、世々に限なく活き給ふものを禮拜し奉れり。
1我又見たるに、羔七封印の一を解き給ひしかば、四の動物の一、雷の如き聲して、來りて見よと言へるを聞けり。
2又見たるに、折しも一の白馬ありて、之に乘れる者は弓を持ち且冠を授けられ、勝ちて勝たんとて出でたり。
3[羔]第二の封印を解き給ひしかば、我第二の動物の、來りて見よ、と言へるを聞けり。
4而して又一の赤馬出來りて、之に乘れるものは、地上より平和を取去りて人々をして相殺さしむる事と、大いなる剣とを授けられたり。
5[羔]又第三の封印を解き給ひしかば、我第三の動物の、來りて見よと言へるを聞けり。然て一の黑馬ありて、之に乘れる者は手に量を持てり。
6斯て四の動物の間に聲の如きものありて、小麥一升、一デナリオ、大麥三升、一デナリオなり、葡萄酒と油とを害ふ勿れ、と言へるを聞けり。
7[羔]又第四の封印を解き給ひしかば、我第四の動物の聲の、來りて見よと言へるを聞けり。
8折しも死色の馬ありて、之に乘れるものは名を死と云ひ、冥府其後に從ひ、彼は剣と飢饉と死亡と地の猛獸とを以て地上の人の四分の一を殺す權力を授けられたり。
9[羔]又第五の封印を解き給ひしかば、我神の御言の爲、及び其爲しし證明の爲に殺されたる人々の魂、祭壇の下に在るを見たり。
10彼等聲高く呼はりて、聖にして眞實にて在せる主よ、何時までか審判し給はずして、地に住める人々に我等が血の復讐を爲し給はざる、と言ひ居れり。
11斯て各白き衣を授けられ、暫く安んじて己等の如くに殺さるべき同じ僕と兄弟との數の滿つるを待て、と謂はれたり。
12[羔]又第六の封印を解き給ひしかば、我見たるに、折しも大地震ありて、日は毛衣の如くに黑く成り、月は全面血の如くに成れり。
13而して天より星の地上に落つる事、恰も無花果の樹の大風に吹搖らるる時、晚生の果の落つるが如し。
14天は卷物を捲くが如くに去り、山と島とは悉く其處を移され、
15地上の帝王と大人と、千夫長と富豪と、權力者と、又奴隷も自由なる者も、皆身を洞穴、山の巌の内に匿し、
16山と巌とに對ひて言ひけるは、汝等我等が上に墜ちて、玉座の上に坐し給ふものの御顏と羔の御怒とを避けしめよ、
17蓋彼等の御怒の大いなる日は來れり、誰か立つ事を得べき、と。
1其後我、四の天使地の四隅に立てるを見しが、彼等は地の四方の風を引止め、地上にも海上にも如何なる樹の上にも吹かざらしめんとせり。
2此外に又一の天使、活き給へる神の印を持ちて東より上るを見たり。此天使、海陸を害する事を許されたる四の天使に聲高く呼はりて、
3言ひけるは、我等我神の僕等の額に印するまで、海にも陸にも樹木にも觸るること勿れ、と。
4斯て我、イスラエルの子等の諸族中印せられたる者の數を聞きしに、印せられたる者十四萬四千人、
5卽ちユダ族の中にて一萬二千人印せられ、ルベン族の中にて一萬二千人印せられ、ガド族の中にて一萬二千人印せられ、
6アゼル族の中にて一萬二千人印せられ、ネフタリ族の中にて一萬二千人印せられ、マナッセ族の中にて一萬二千人印せられ、
7シメオン族の中にて一萬二千人印せられ、レヴィ族の中にて一萬二千人印せられ、イッサカアル族の中にて一萬二千人印せられ、
8ザブロン族の中にて一萬二千人印せられ、ヨゼフ族の中にて一萬二千人印せられ、ベンヤミン族の中にて一萬二千人印せられたるなり。
9其後我、誰も數ふる事能はざる大群衆を見しが、諸國、諸族、諸民、諸語の中よりして、白き衣を着し、手に棕櫚の葉を持ちて、玉座の前、羔の目前に立ち、
10聲高く呼はりて言ひけるは、救靈は玉座に坐し給ふ我神及び羔に歸す、と。
11玉座と翁等と四の動物との周圍に立ち居たりし天使一同、玉座の前に平伏し、神を禮拜し奉りて、
12言ひけるは、アメン、祝福と光榮と、叡智と感謝と、尊貴と能力と、世々に限なく我神に歸す、アメン、と。
13時に翁の一人答へて我に謂ひけるは、白き衣を着せる此人々は誰なるぞ、何處より來れるぞ、と。
14我、我君よ、汝こそ知れるなれ、と言ひしに翁我に謂ひけるは、此人々は大いなる患難より來り、羔の血に己が衣を洗ひて白く爲したる者なり。
15故に神の玉座の前に在りて、其[聖]殿に於て日夜之に事へ奉り、又玉座に坐し給ふものは、彼等の上に幕屋を張り給ふべし。
16彼等最早飢渴く事なかるべく、日光も熱氣も彼等に中るべからず、
17其は玉座の正面に在せる羔彼等を牧して、之を生命の水の源に導き給ひ、神は彼等の目より凡ての淚を拭ひ給ふべければなり、と。
1[羔]第七の封印を解き給ひしかば、天上靜まりかへる事半時間。
2我又見たるに、七の天使神の御前に立ちて七の喇叭を授けられ、
3別に又一の天使、金の香爐を持來りて香臺の上に立ち、多くの香を授けられしが、是諸聖人の祈に加へて、神の玉座の前なる金の香臺の上に獻げん爲なり。
4斯て香の烟は、諸聖人の祈と共に天使の手より神の御前に立昇りしが、
5天使香爐を取り、之に香臺の火を盛りて地に投げしかば、雷と聲と電光と大地震と起り、
6又七の喇叭を持てる七の天使、喇叭を吹かん身構を爲せり。
7斯て第一の天使喇叭を吹きしに、血の雜りたる雹と火と起りて地に降らされ、地の三分の一燃上り、樹木の三分の一燃上り、綠草悉く燒盡されたり。
8第二の天使喇叭を吹きしに、火の燃ゆる大いなる山の如きもの海に投げられ、海の三分の一血に變じて、
9海の中に活ける被造物の三分の一死し、船の三分の一も亡びたり。
10第三の天使喇叭を吹きしに、松明の如くに燃ゆる大いなる星天より落ちて、河の三分の一と水の源との上に落ちたり。
11此星は名を苦艾と云ひ、水の三分の一は苦艾の如くに成りて、水の苦く成りしが爲に多くの人死せり。
12第四の天使喇叭を吹きしに、日の三分の一と月の三分の一と打たれしかば、其三分の一は暗み、晝も三分の一は光らず、夜も亦同じ。
13我尙見たるに、天の中央を飛べる一の鷲聲高く、禍なる哉、禍なる哉、禍なる哉、地上に住める人々、尙喇叭を吹かんとする三の天使の聲によりて、と言へるを聞けり。
1第五の天使喇叭を吹きしに、我一の星の天より地に落ちたるを見たり。然て彼は底なき淵の穴の鍵を授けられ、
2淵の穴を開きしかば、大いなる爐の烟の如き烟穴より立昇りて、日も空も穴の烟の爲に暗まされたり。
3又穴の烟より蝗地上に出でて、地の蠍の如き力を授けられ、
4地の草、凡ての青物、及び如何なる樹木をも害する事なく、唯己が額に神の印を有せざる人々をのみ害すべき事を命ぜられたり。
5但之を殺す事なく、五箇月の間苦しむる力を授けられ、其苦は蠍の人を刺したる時の苦に等し。
6此時人々死を求めて而も之に遇はず死を望みて而も死は彼等を遠ざかるべし。
7彼蝗の狀は戰に備へたる馬に似て、頭には金に似たる冠の如きものあり、顏は人の顏の如く、
8女の髮毛の如き毛ありて、齒は獅子の齒に等しく、
9鐵の鎧の如き鎧ありて、翼の音は多くの馬に曳かれて戰場に走る車の音の如く、
10尙蠍の如き尾ありて、其尾に刺あり、其力は五箇月の間人を害すべし。
11此蝗を司る王は底なき淵の使にして、名はヘブレオ語にてアバッドン、ギリシア語にてアポルリオンと云ひ、ラテン語[の意味]は破壞者なり。
12一の禍過ぎて尙二の禍來らんとす。
13第六の天使喇叭を吹きしかば我聞きたるに、神の御目前なる金の香臺の四隅より一の聲出で、
14喇叭を持てる第六の天使に謂ひけるは、ユウフラテの大河の邊に繫がれたる四の天使を免せ、と、
15斯て年月日時を期して人間の三分の一を殺さんと構へたる、四の天使免されたり。
16騎兵の數は二億にして我其數を聞けり。
17然て我幻影に其馬を見しが、之に乘れる者は緋色、紫色、硫黃色の鎧を着け、馬の頭は獅子の頭の如くにして、其口より火と烟と硫黃と出で、
18此三の禍、卽ち其口より出づる火と烟と硫黃との爲に人間の三分の一殺されたり。
19其馬の力は口と尾とに在り、其尾は蛇の如くにして頭を備へ、之を以て害を加ふるなり。
20是等の禍によりて殺されざりし人々は、尙其手の業より改心せずして惡鬼等を拜し、見聞き步む事を得ざる金、銀、銅、木、石の偶像を拜する事を歇めず、
21其殺人、其害毒、其私通、其竊取の罪よりも改心せざりき。
1我又見たるに、別に天より下る一の强き天使ありて、身には雲を纏ひ、頭には虹あり、其顏は日の如く、其足は火柱の如く、
2手には開きたる小き卷物あり、右の足を海の上に、左の足を地の上に踏み、
3獅子の吼ゆるが如き大いなる聲して叫びしが、叫び終りて七の雷聲を出せり。
4然て七の雷聲を出したる時、我之を書記さんとせしに、天より聲ありて、七の雷の語りし事を封じて、之を書記すこと勿れと我に謂へるを聞けり。
5斯て前に見たりし海陸の上に跨りて立てる天使、右の手を擧げて天を指し、
6世々に限なく活き給ひ、天と之に有らゆるものと、地と之に有らゆるものと、海と之に有らゆるものとを造り給ひしものを指して誓ひ言ひけるは、最早時あらざるべし、
7然れど第七の天使の聲を出し、喇叭を吹始むる時に至りて、神の奧義は其僕なる預言者等を以て幸に告げ給ひしが如く成就すべし、と。
8又天より聲聞えて、再び我に語り、往きて海陸に跨りて立てる天使の手より、開きたる卷物を取れと言ひしかば、我天使の許に至りて、我に卷物を與へよ、と言ひしに彼我に謂ひけるは、
9卷物を取りて食盡せ、汝の腹を苦からしめんも、口には蜜の如く甘かるべし、と。
10斯て我天使の手より卷物を受けて之を食盡ししに、我口に在りては蜜の如く甘かりしも、食盡して後我腹は苦く成れり。
11又我に謂ふものあり、汝は多くの民族と國民と、國語と國王に就きて、再び預言せざるべからず、と。
1斯て我杖の如き葦の測量竿與へられて謂れけるは、起きよ、神の聖殿と祭壇と、其處に禮拜する人々とを度れ。
2然れど殿外の庭は、措きて之を度ること勿れ、其は異邦人に委ねられたればなり。而して彼等は四十二箇月の間、聖なる都を踏荒さんとす。
3我わが二個の證人に力を與へん、斯て彼等毛衣を着て、一千二百六十日の間預言すべし。
4彼等は地の主の御前に立てる二の橄欖樹、二の燈臺なり。
5若是等を害せんとする人あらば、火其口より出でて其敵を亡ぼさん。若彼等を傷はんとする人あらば、斯の如くにして亡ぼさるべし。
6彼等は預言する間、雨をして降らざらしむべく、天を閉づる力あり、又水をして血に變ぜしめ、思ふが儘に幾度も有らゆる天災を以て地を打つの力あり。
7彼等其證明を終へたらん後は、底なき淵より上る獸ありて彼等と戰を爲し、勝ちて之を殺すべく、
8其屍は例へばソドマともエジプトとも名づけらるる大都會、卽ち彼等の主の十字架に釘けられ給ひし所の衢に遺らん。
9且諸族、諸民、諸語、諸國に屬する人、三日半の間其屍を見るも之を墓に收むるを許さじ。
10地上に住める人は之が爲に歡樂しみ、且互に禮物を贈らん、其は彼二人の預言者地上の人を苦しめたればなり。
11然れども三日半の後は、生命の靈神よりして彼等に入り、彼等足にて立ち、之を見たる人々は大いに懼を懷きしが、
12天より大いなる聲聞えて、此處に昇れと言ひしかば、彼等雲に乘りて天に昇り、彼等之を見たり。
13尙其時大いなる地震ありて、市の十分の一は倒れ、七千人の人地震の爲に殺され、殘れる者は懼しさに堪へず、天の神に光榮を歸し奉れり。
14第二の禍過去りて第三の禍將に來らんとす。
15第七の天使喇叭を吹きしかば、天に大いなる聲響きて言ひけるは、此世の國は我主と其キリストとのものと成りたれば、世々に限なく統治し給ふべし、アメン、と。
16是に於て神の御前に、己が座に坐し居たりし廿四人の翁、平伏して神を禮拜し、
17然て言ひけるは、曾て在し、今も在し、且來り給ふべき全能の神にて在す主よ、我等汝に感謝し奉る、其は、己が大いなる能力を執りて統治し給へばなり。
18諸國民怒を起したるに、主の御怒亦來れり、且死者審判せられて、主の僕なる預言者、聖人等、及び大小を問はず御名を畏める人々に報を與へ、地上を腐敗せしめたる人々を亡ぼし給ふ時來れり、と。
19斯て天に於て神の聖殿開け、神の契約の櫃其聖殿に現れ、電光と多くの聲と地震と大いなる雹と起れり。
1又天に大いなる徵現れたり、卽ち日を着たる一個の婦人あり、其足の下に月ありて、頭には十二の星の冠あり。
2子を姙して陣痛に遇ひ、將に産まんとして叫び居れり。
3又天に他の徵顯れたり、看よ大いなる赤き龍ありて、七の頭、十の角あり、其頭には七の冠あり、
4尾は天の星の三分の一を引き居りしが、之を地に擲ち、子を産まんとする婦人の前に立ちて、生れなば其子を食はんと構へたり。
5婦人は萬民を鐵の杖もて治むべき一人の男子を生みしに、其子は神の御許に其玉座へ引上げられたり。
6婦人は荒野に迯れしが、此處に一千二百六十日の間養はるる樣、神より備へられたる處ありき。
7斯て天に於て大いなる戰起れり、ミカエル及び其使等、龍と戰ひ、龍も其使等も戰ひ居りしが、
8龍勝を得ずして天に其跡すらも遺らざりき。
9而して彼大いなる龍、全世界を惑はせる蛇、所謂惡魔又はサタンなるもの投下されたり、彼地に投下されしかば、其使等も共に投下されたり。
10我又大いなる聲の天に於て斯く言へるを聞けり、我等の神の救と、力と、國と、又其キリストの權能とは、今ぞ至れる、其は我等の兄弟等を訴へて、我等の神の御前に日夜彼等を訴へ居たりしもの、投下されたればなり。
11而して兄弟等は羔の御血により、又己が證明の言によりて之に勝ち、死に至るまで己が生命を惜まざりき。
12是故に喜べや、天及び天に住へるものよ、禍なる哉地よ海よ、其は惡魔己が時の唯暫時なるを知りて、大いなる怒を啣みつつ汝等に下りたればなり、と。
13斯て龍は己が地に投下されたるを見て、男子を生みし婦人に追迫りしが、
14婦人は荒野に飛ばん爲に大いなる鷲の翼を授けられしかば、己が處に至り、一年と數年と半年との間、龍の面前を離れて此處に養はれたり。
15然るに龍は其口より水を出して、婦人の後より吹懸くる事河の如く、之を河に流さしめんとしたりしも、
16地は婦人を助け、口を開きて龍の口より吹出したる水を呑盡り。
17龍は婦人を怒りて、其子孫の中神の掟を守り且イエズス、キリストの證を有する人々と戰はんとて、往きて、
18海の砂の上に立てり。
1我又海より一の獸の上るを見たり、其は七の頭と十の角と有りて、其角の上に冠あり、頭の上に冒涜の名あり。
2我が見し獸は豹の如く、其足は熊の足の如く、其口は獅子の如くにして、龍は之に己が座と大いなる權力とを與へたり。
3我又見たるに、其一の頭死ぬばかり傷つけられたれど、其死ぬべき傷醫されしかば、全世界感嘆して此獸に從ひ、
4此獸に力を與へし龍を禮拜し、又獸を禮拜して言ひけるは、誰か此獸の如き者あらんや、誰か之と戰ふを得んや、と。
5而して大言と冒涜とを吐く口を與へられ、四十二箇月の間働く權力を與へられ、
6然て口を開きて神を冒涜し、其御名と其幕屋と天に住める者とを冒涜せり。
7又聖人等と戰ひ、且之に勝つ事を許され、諸族、諸民、諸語、諸國に對する權力を與へられ、
8斯て地上に住める人にして、世の初より殺され給ひたる羔の生命の名簿に名を錄されざる人、皆彼獸を禮拜せり。
9人耳あらば聞け、
10擒に牽きし人は自ら擒に往くべく、剣にて殺しし人は剣にて殺さるべし、聖人等の忍耐と信仰と茲にあり。
11我又別に地より一の獸の上るを見しが、羔の如き角二ありて、龍の如くに言ひ居り、
12先の獸の前に於て、總て之と等しき力を顯し、地と地に住める人とをして、死ぬばかりの傷の醫されし曩の獸を禮拜せしめたり、
13又人の眼前に天より火を地に下さしむる程の大いなる徵を爲し、
14獸の前に爲すことを得しめられたる徵を以て、地に住める人を惑はし、之に勸めて、刀の傷はありながら尙生存へし獸の像を造らしめ、
15此獸の像に生命を與へ、且言ふことを得させ、此獸の像を拜せざる人を殺す力を與へられたり、
16又大小と貧富と自由の身と奴隷とを問はず、凡ての人に、或は右の手或は額に印章を受けしめ、
17此印章若くは獸の名、若くは其名の數を記されたる人々の外、賣買する事を得ざらしめたり。
18智惠は是に於てか要せらる、知識ある人は獸の數を算へよ、獸の數は人の數にして、其數は六百六十六なり。
1我又見たるに、折しも羔シオン山に立ち給ひ、其御名及び父の御名を額に印されたる十四萬四千人之と共に在り。
2我又天よりの聲を聞きしが、大水の聲の如く、又大いなる雷の聲の如くにして、又此我が聞きし聲は彈琴者の其琴を彈ずるが如し。
3斯て彼等、玉座の前、四の動物と翁等との前に於て、新しき贊美歌の如きものを謳ひ居りしが、地上より贖はれたる彼十四萬四千人の外、誰も此贊美歌を唱うる事能はざりき。
4彼等は女に觸れず汚されざるもの、蓋童貞者たるなり。彼等は何處にもあれ羔の往き給ふ處に從ひ、人間の中より、初穗として、神と羔との爲に贖はれたる者にして、
5其口に僞ありし事なく、神の玉座の御前に汚なき者なり。
6又見たるに、別に天の中央を飛べる一の天使あり、地上に住める人と、諸國、諸族、諸語、諸民とに福音を告げん爲に、永遠の福音を携へ、
7聲高く言ひけるは、汝等主を畏れて之に尊榮を歸し奉れ、蓋其審判の時は至れり、天地と海と水の源とを造り給へるものを禮拜し奉れ、と。
8又別に一の天使、其後に從ひて言ひけるは、倒れたり倒れたり、私通の爲に起せる怒の酒を萬民に飲ませし彼大いなるバビロネは、と。
9又第三の天使、彼等の後に從ひて聲高く言ひけるは、若獸と其像とを拜し、己が額若くは右の手に其印章を受けたる人あらば、
10彼も亦神の御怒の酒、卽ち御怒の杯に物を雜へずして盛りたる酒を飲むべく、又聖なる天使等の前及び羔の御前に、火と硫黃とを以て苦しめらるべし、
11而して其刑罰の烟は世々に限なく立昇り、獸と其像とを拜せし人々と彼の名の印章を受けし者等とは、夜晝休息なかるべし。
12神の掟とイエズスに於る信仰とを保てる聖人等の忍耐は茲に在り、と。
13斯て天より聲ありて我に斯く言へるを聞けり、書記せ、福なる哉今より主に於て死する死人、[聖]靈曰はく、然り、彼等が其働を息まん爲なり、其は其業之に從へばなり、と。
14又見たるに、折しも白き雲ありて、其雲の上には人の子の如きもの、頭に金の冠を戴き、手に利き鎌を持ちて坐し居れり。
15又別に一の天使、[聖]殿より出でて、雲の上に坐せるものに向ひ、聲高く呼はりけるは、地上の穀物は熟したるが故に、刈取るべき時は來れり、汝其鎌を入れて刈取れ、と。
16斯て雲の上に坐せるもの、其鎌を地に入れしかば、地の面は刈取られたり。
17又別に一の天使、天に在る[聖]殿より出でしが、彼も亦利き釜を持てり。
18又別に火を司る權威を有せる一の天使、香臺より出でて、利き鎌を持てるものに對ひ、聲高く呼はりて言ひけるは、地上の葡萄は熟したるが故に、汝利き鎌を入れて葡萄の房を刈取れ、と。
19斯て天使其利き鎌を地に入れて地上の葡萄を刈取り、神の御怒の大いなる搾槽に入れ、
20其搾槽は市外に於て踏籍けられしが、血搾槽より出でて、馬の轡に達くほど、七十五里の間に弘がれり。
1又見たるに、天に大いにして不思議なる徵あり、卽ち七の天使ありて最後の七の禍を有せり、蓋神の御怒が之にて全うせられたるなり。
2尙見たるに、火の雜れる玻璃の海の如きものありて、獸と其像と其名の數とに勝ちたる人々、玻璃の海の上に立ち、神の琴を持ちて、
3神の僕たるモイゼの贊美歌、及び羔の贊美歌を謳ひて言ひけるは、全能の神にて在す主よ、大いにして不思議なる哉、主の御業。萬世の王よ、正しくして眞なる哉、主の道。
4主よ、誰か汝を畏れ奉らず御名を崇め奉らざらんや、其は汝のみ聖に在して、汝の審判の明なるにより、萬民來りて御前に禮拜し奉らんとすればなり、と。
5其後我又見たるに、折しも天に證明の幕屋の[聖]殿開けて、
6七の禍を有せる七の天使、潔くして輝ける亞麻布を纏ひ、胸に金の帶を締めて[聖]殿より出でしが、
7四の動物の一は、世々に限なく活き給ふ神の御怒の滿てる七の金の器を、七の天使に與へしかば、
8[聖]殿は神の稜威と其能力とによりて烟を以て充たされ、七の天使の七の禍の終るまで、誰も[聖]殿に入る事能はざりき。
1我又大いなる聲の[聖]殿より出でて、七の天使に斯く言へるを聞けり、汝等往きて神の御怒の七の器[の物]を地上に注げ、と。
2斯て第一の天使、往きて其器[の物]を地上に注ぎしかば、獸の印章を有せる人々、及び其像を拜したる人々の身に、惡性の甚しき腫物生じたり。
3第二の天使其器[の物]を海上に注ぎしかば、死人の血の如くに成りて、海に在る活物悉く死せり。
4第三の天使其器[の物]を川及び水の源に注ぎしかば、變じて血と成れり。
5斯て我水を司る天使の斯く言へるを聞けり、現に在し、又曾て在しし主よ、汝は正義にて在す、斯の如く審判し給へるものよ、汝は聖にて在す、
6蓋人々は汝の諸聖人、諸預言者の血を注ぎたれば、汝彼等に血を與へて飲ましめ給へり、彼等は之に値する者なればなり、と。
7又別の天使の祭壇より斯く言へるを聞けり、然り、全能の神にて在す主よ、眞實にして正義なる哉汝の審判、と。
8第四の天使其器[の物]を太陽に注ぎしかば、激しき暑を以て人々を燒き惱ます事を許され、
9人々激しき暑の爲に燒かれて、斯る禍の上に權力を有し給へる神の御名を罵り、且改心せずして、光榮を神に歸し奉らざりき。
10第五の天使其器[の物]を彼獸の座の上に注ぎしかば、獸の國暗黑と成りて、人々苦の餘りに己が舌を噛み、
11其苦と禍との爲に天の神を罵り、己が業より改心せざりき。
12第六の天使其器[の物]をユウフラテの大河の上に注ぎしかば、其水を涸らして、東方の諸國王の爲に道を備へたり。
13又見たるに、龍の口と獸の口と僞預言者の口とより、蛙の如き三の穢らはしき靈出でたり。
14是徵を爲せる惡魔の靈にして、全世界の國王の許に至り、全能の神の大いなる日の戰の爲に彼等を集めんとす。
15看よ、我は盜人の如くにして來る、警戒して、裸に步まず、恥を見られざらん爲に、己が衣を保てる人は福なり。
16彼靈ヘブレヲ語にてアルマゲドンと云へる處に諸國王を集むべし。
17第七の天使其器[の物]を空中に注ぎしかば、大いなる聲[聖]殿より而も玉座より出でて言ひけるは、事既に成れり、と。
18斯て電光と聲と雷と大地震と起りしが、此地震は人の地上に在りし以來曾て有らざりし程に大いなりき。
19然て大都會三に裂かれ、異邦人の諸都會倒れて、大いなるバビロネは神の御前に憶出でられ、激しき御怒の酒を盛りたる杯を飲ましめられんとし、
20島悉く去りて山も見えず成り、
21タレント程の大さなる雹天より人に降懸りしかば、人々雹の禍の爲に神を罵れり、是其禍甚だしく大いなればなり。
1然て七の器を持てる七の天使の一來りて我に謂ひけるは、來れ、我汝に示すに、多くの水の上に坐せる大淫婦の宣告を以てせん。
2地上の諸國王之と姦淫を行ひ、地に住める人々其淫亂の酒に醉ひたりき、と。
3斯て我氣を奪はれ、彼天使に荒野に携へられて見たるに、緋色の獸に乘りたる一人の婦あり、獸は渾身冒涜の名を以て覆はれ、七の頭と十の角あり。
4婦は緋色、紫色の服を着し、金、寳石、眞珠を以て身を飾り、手には憎むべきものと其淫亂の穢とに滿てる金の器あり。
5其額には書記されたる名あり、曰く「奧義、大いなるバビロネ、地上の淫婦等と憎むべきこととの母」と。
6此婦を見るに、諸聖人の血及びイエズスの殉敎者等の血に醉へる者なれば、我之を見て大いに驚けり。
7天使我に謂ひけるは、何の故に驚くぞ、我此婦の奧義と、七の頭、十の角ありて之を乘せたる獸の奧義とを汝に語らん。
8汝の見し獸は曾て有りしも今在らず、後には底なき淵より上りて亡に至らん。地上に住みて世の開闢より以後生命の名簿に名を記されざる人々は、曾て有りしも今は在らずして後に顯るべき、彼獸を見て驚き怪しまん。
9是に於てか知識と穎敏とを要す。七の頭は婦の坐せる七の山なり、又七人の國王なり。
10五人は既に倒れて一人は存し、尙一人は未來らず、來りたらん時は暫し留るべし。
11曾て有りしも今は在らざる獸は其第八番にして七人より出でて亡に至るなり。
12又汝の見し十の角は十人の國王にして、彼等は未國を得ざれども、獸の後に一時王の如き權威を受くべく、
13彼等は同一の計略を爲し、己が能力と權威とを獸に付さん。
14彼等は羔と戰ふべく、而して羔は彼等に勝ち給ふべし。彼は諸主の主、諸王の王に在して、之と共に居る人々は、召されし者、選まれし者、忠實なる者なればなり、と。
15天使又我に謂ひけるは、淫婦の坐せる處に汝が見し水は、是諸國、諸民、諸語なり。
16又獸に於て汝が見し十の角は、遂に彼淫婦を憎み、之を惱まし且裸ならしめ、其肉を喰ひ、火を以て彼を燒盡すべし。
17蓋神彼等に御旨を行ふ事と、同一の計略を爲して神の御言悉く成就するまで、己が國を獸に付す事とを志さしめ給ひしなり。
18又汝が見し婦は、地上の國王を司る大都會なり、と。
1其後、又別に一の天使、大いなる權威を以て天より降るを見しが、地上は其榮光を以て照されたり。
2彼力ある聲にて呼はり言ひけるは、倒れたり、倒れたり大いなるバビロネは。既に惡魔の住處と成り、凡ての穢れたる靈の巢窟と成り、總て汚れて憎むべき鳥の巢と成れり。
3蓋萬民は其姦淫が起さする怒の酒を飲み、地上の國王等は彼と姦淫を爲し、地上の商人等は彼が奢の勢によりて富豪と成りたるなり、と。
4又別に天より聲して斯く言へるを聞けり、我臣民よ、汝等彼が中より出でて、其罪に與らず其禍を受けざる樣にせよ。
5其は彼の罪は天に達し、主彼が不義を心に留め給ひたればなり。
6彼が汝等に爲しし如く汝等彼に爲し、其業に應じて倍して之を報い、彼が汲與へし杯は之に倍して汲與へよ。
7彼が自ら誇りて快樂に暮らししと同じ程なる苦と悔とを與へよ、其は彼が心の中に、我は女王の位に坐して寡婦には非ず、而も悔を見じ、と謂へばなり。
8故に其禍、卽ち死と、悔と、飢と、俄に來りて、彼は火にて燒盡さるべし、彼を審判し給へる神は全能にて在せばなり。
9彼と姦淫して樂しみ暮らしし地上の諸國王、彼が燒かるる烟を見て其上を泣き、且己が胸を打ち、
10其苦を恐れて遥に立退きて言はん、禍なる哉、禍なる哉、彼バビロネの大都會、彼堅固なる都會よ、其は汝の刑罰一時に至りたればなり、と。
11又地上の商人、泣きて彼が上を悲しむべし、其は己の商品を買ふべきもの既に之あらざればなり。
12其商品は金銀、寳石、眞珠、亞麻布、緋色布、絹物、紫布、種々の香木、及び一切の象牙細工、佳木、青銅、鐵、大理石の諸器物、
13又肉桂、香料、香油、乳膏、葡萄酒、油、麥粉、小麥、駄獸、羊、馬、四輪車、人の體と魂と等なり。
14[バビロネよ]、汝の好みし果物は汝を去り、一切の珍味華美の品々は、亡びて汝より離れ、以後は之を見出さざるべし。
15是等の物を商ひて富豪と成りし人々は、バビロネの苦を恐れて遥に立退き、泣悔みて、
16言はん、禍なる哉、禍なる哉、曾て亞麻布、緋色、紫色の服を着し、金、寳石、眞珠を以て身を飾りたる、彼大都會よ、と。
17是然しも莫大なる富の一時に消失せたればなり。
18又一切の船長、航海せる人々、水夫、又は海上に働ける人々、遥に立退きて、其火事の烟を見て呼はり言ひけるは、如何なる都會か此大都會には似たる、と。
19而して彼等は、塵を己が頭に被りて泣悔み、叫びて言ひけるは、禍なる哉、禍なる哉、其奢によりて總て海上に船を有ちたる人々を富ましめたる彼大都會よ、其は一時に荒果てたるなり、と。
20天及び聖人、使徒、預言者等、彼が上を歡びて躍れ、蓋神汝等が[受けし]處分を彼に於て復讐し給ひしなり。
21又一の强き天使、大いなる磨の如き石を海に投げて言ひけるは、彼大都會バビロネは、斯の如き機勢を以て投げられ、再び見出さるる事あらじ。
22今より後は汝の中に、琴を彈じ、樂を奏し、笛を吹き、喇叭を鳴らす者の聲再び聞えず、種々の藝術の職人、汝の中に再び見出されず、磨の音汝の中に再び聞えず、
23燈の光汝の中に再び輝かず、新郞新婦の聲全く汝の中に聞えざるべし。其は汝の商人、既に地の諸侯の如くに成りて、萬民汝の魔力に惑ひ、
24且預言者、聖人及び地上に殺されし一切の人の血、彼に於て見出されたればなり、と。
1其後我、大群衆の聲の如きものの天に於て斯く言へるを聞けり、アレルヤ、救靈と光榮と能力とは我神に歸す、
2蓋其淫亂を以て地上を腐敗せしめたる大淫婦を審判し給ひしものの審判は、眞に且正しくして、己が僕等の血の報を彼の手に求め給ひしなり、と。
3又重ねて言ひけるは、アレルヤ、彼が烟立昇りて世々に限なし、と。
4而して廿四人の翁と四の動物と平伏して、玉座に坐し給ふ神を禮拜し奉り、アメン、アレルヤ、と稱へたり。
5斯て聲玉座より出でて言ひけるは、總て神の僕たる者、又大小を問はず之を畏るる者よ、我神を贊美し奉れ、と。
6我又大群衆の聲の如く、大水の聲の如く、大いなる雷の聲の如きものの斯く言へるを聞けり、アレルヤ、蓋我全能の神にて在す主は統治し給へるなり。
7將我等は歡び躍りて之に光榮を歸し奉らん、蓋羔の婚禮の期至りて、其新婦既に準備を調へ、
8潔くして輝ける亞麻布を身に裝ふことを得しめられたり、と。亞麻布とは聖人の正しき業なり。
9[天使]又我に謂ひけるは、羔の婚筵に召されし人々は福なる哉、と書け、と。又我に謂ひけるは、是ぞ神の眞の御言なる、と。
10斯て我之を禮拜せんとして、其足下に平伏しければ、又我に謂ひけるは、然する事勿れ、我は汝及びイエズスの證を有せる汝が兄弟等と同樣の僕なり、神をば禮拜し奉れ、其は預言の靈はイエズスを證し奉ればなり、と。
11又見たるに、折しも天開けて一の白馬あり、之に乘れるは忠信者、眞實者と稱せらるる者にして、正義を以て審判し且戰ひ給ひ、
12御目は焔の如く、頭には數多の冠を戴き、又記せる名ありて、自らの外誰も之を知る者なく、
13又血に塗れたる衣服を纏ひ給ひて、名を神の御言と稱す。
14又天に在る諸軍は白馬に乘り、白く潔き亞麻布を纏ひ給ひて之に從ひ居れり。
15而して諸民を擊つべき兩刃の利き剣、彼の口より出で、彼は鐵の杖を以て諸民を治め給ふべく、又自ら全能の神の御怒の搾槽を踏み給ひ、
16衣の上股の處に其名記されて、諸王の王、諸主の主、とあり。
17又見たるに、一の天使太陽の中に立ちて、空の中央を飛べる一切の鳥に對ひ、聲高く呼はりて言ひけるは、汝等來りて神の大いなる饗筵に集れ、
18諸國王の肉、千夫長等の肉、權力者の肉、馬と之に乘れる人々との肉、總て自由なるもの奴隷たるもの、大人小人の肉を喰ふべし、と。
19又見たるに、彼獸と地上の諸國王と其軍隊と既に集りて、白馬に乘り給へるもの及び其軍隊と戰はんとしたるに、
20獸は捕へられ、曾て其前に種々の徽を爲し、之によりて獸の印章を受け、其像を拜みし人々を惑はしし僞預言者も亦共に捕へられ、兩ながら活きたる儘にて硫黃の燃ゆる火の池に投入れられたり。
21其他の者は皆、白馬に乘り給へるものの口より出づる剣にて殺され、諸の鳥飽くまで其肉を喰へり。
1又見たるに、一の天使底なき淵の鍵と大いなる鎖とを手に持ちて天より降り、
2彼龍、卽ち惡魔サタンなる古き蛇を捕へ、一千年を期して之を繫ぎ、
3底なき淵に投入れて之を閉籠め、封印を其上に爲せり。是一千年の終るまで諸民を惑はさざらしめん爲にして、其後は暫し解放たるべし、
4我又列座を見たるに、之に就くものありて裁判權を賜はり、又イエズスの證明の爲神の御言の爲に馘られし人々の魂と、彼獸をも其像をも拜まず、其印章を己が額又は手に受けざりし人々と、皆生回りて、一千年の間キリストと共に王と成れるを見たり。
5其他の死人は總て一千年の終るまで生回らず、是卽ち第一の復活なり。
6福なる哉、聖なる哉、此第一の復活に與る人。斯る輩に於ては第二の死は權力を有せず、却て彼等は神及びキリストの司祭として、一千年の間之と與に王たるべし。
{{Verse|20|7|一千年終りて後、サタン其獄舎より放たれ、出でて地の四方の人民、ゴグ及びマゴグを惑はし、戰の爲に之を集めん、其數は海の眞砂の如し。
8而して彼等地の全面に上り、聖徒等の陣營と最愛の市街とを圍みしが、
9火天より降りて彼等を燒盡し、彼等を惑はしたる惡魔は火と硫黃との池に投入れられたり。是に於て彼獸と、
10僞預言者と、世々に限なく晝夜苦しめらるべし。
11又見たるに、大いなる白き玉座ありて、之に坐し給ふものあり、地と天とは其前を逃去りて、其場所すら見出されざりき。
12又見たるに、死せし人々、大小共に玉座の前に立ちて、數多の書籍開かれ、又別に一の書籍開かれしが、是生命の名簿にして、死者は皆書籍に記されたる事柄により、面々の業に從ひて審判せられたり。
13斯て海は其中に在りし死者を出し、死も冥府も亦其中に在りし死者を出し、各其業に從ひて審判せられ、
14死も冥府も火の池に投入れられしが、是第二の死にして、
15生命の名簿に記されざりし人々も亦火の池に投入れられたり。
1我又新しき天と新しき地とを見たり、蓋曩の天と曩の地とは過去りて、海も既に在らざるなり。
2我ヨハネ又、聖なる都會新しきエルザレムが、恰も其夫の爲に飾れる新婦の如く備はりて、神より天降るを見たり。
3又大いなる聲の玉座より來るを聞けり、曰く、看よ神の幕屋は人々と共に在り、神彼等と共に住み給ひて、彼等其民と成り、神御自ら彼等と共に在して、其神と成り給はん。
4又神彼等の目より淚を悉く拭去り給ひ、此後は死ある事なく、悔も叫も苦も更に之あらざるべし、其は前の事既に去りたればなり、と。
5又玉座に坐し給ふもの曰ひけるは、看よ我萬事を新にす、と。又我に曰ひけるは、汝書記せ、其は此言は信ずべくして眞なればなり、と。
6又我に曰ひけるは、事既に成れり、我はアルファなり、オメガなり、始なり、終なり、我渴く人をして生命の水の源より價なく飲むことを得しめん。
7勝利を得たる人は、是等のものを有して、我其神と成り、彼我子と成るべし。
8然れど凡て卑怯なるもの、不信仰なるもの、憎むべきもの、人を殺せるもの、私通を爲せるもの、魔術を行ふもの、偶像を崇拜するもの、又總て僞を言ふ者は、火と硫黃との燃ゆる池に於て其報を受くべし、是第二の死なり、と。
9又七の最後の禍の充てる器を持ちたる七の天使の一、來りて我に語り言ひけるは、來れ、我羔の配偶者たる新婦を汝に示さん、と。
10斯て我氣を奪ひて、我を大いにして高き山に携へ、聖なる都エルザレムが神より天降るを示せり。
11卽ち神の榮光を有して、其燈は水晶の如くに透明れる碧玉の如き寳石に似たり。
12又十二の門を備へたる、大いにして高き城壁あり、其門に十二の天使ありて記されたる名あり、卽ちイスラエルの子等の十二族の名なり。
13東に三の門、北に三の門、南に三の門、西に三の門あり。
14又市街の城壁に十二の基礎ありて、羔の十二使徒の名之に記されたり。
15斯て我と語れる者は、市街と其門と城壁とを測る爲に、金の葦の測量竿を持ちたりしが、
16市街は四角に立ちて、長さ廣さ相等しく、天使其金の葦を以て市街を測りしに、五百五十五里にして、長さ高さ廣さ相等し。
17又城壁を測りしに、二十五丈あり、人の度にして亦天使の度なり。
18其城壁は碧玉より成り、市街は清き玻璃に似たる純金にして、
19市街の城壁の基礎は有らゆる寳石を鏤め、第一の基礎は碧玉、第二は青玉、第三は玉髓、第四は綠玉、
20第五はサルドニクス、第六は赤條瑪瑙、第七は貴橄欖石、第八は綠柱玉、第九は黃玉、第十はクリゾプラズ、第十一はヒヤシント、第十二は紫水晶なり。
21十二の門は十二の眞珠にして、各の門は一の眞珠より成り、市街の衢は透明れる玻璃の如き純金なり。
22此市街には[聖]殿あるを見ず、其は全能の神にて在す主及び羔は、其[聖]殿にて在せばなり。
23又此市街は日月に照さるるを要せず、其は神の榮光之を照し、羔其燈にて在せばなり。
24諸國民彼が光によりて步むべく、地上の國王等己が光榮と尊崇とを是に齎すべく、
25其門は終日閉づる事なかるべし、其は此處には夜無なければなり。
26是には諸國民光榮と尊貴とを齎すべく、
27潔からざるもの、憎むべき事を行ふもの、僞を爲すものは之に入らず、羔の生命の名簿に記されたる人々のみ之に入るべし。
1天使又我に示すに、水晶の如く透明れる生命の水の河の、神及び羔の玉座より流るるを以てせり。
2市街の衢の中央及び河の兩岸に生命の樹あり、十二の果を結びて月每に一の果を出し、此樹の葉も亦萬民を醫すべし。
3如何なる詛も今は有る事なく、神と羔との玉座其中に在りて、其僕等之に事へ奉るべく、
4彼等其御顏を見奉り、神の御名其額に在るべし。
5最早夜ある事なく、燈の光をも日の光をも要する事なかるべし、其は神にて在す主彼等を照し給へばなり。斯の如くにして彼等は世々に限なく王たるべし。
6天使我に謂ひけるは、此言は信ずべくして眞なり、預言者等の靈を賜へる神にて在す主は、遠からずして成るべき事を其僕等に示さん爲に、其天使を遣はし給ひしなり。
7看よ我速に來らん。此書の預言の言を守る人は福なる哉、と。
8是等の事を見聞したる者は我ヨハネにして、見聞したる後、是等の事を我に示せる天使の足下に平伏して禮拜せんとせしに、
9彼我に謂ひけるは、然する事勿れ、我は汝及び汝の兄弟たる預言者等、竝に此書の預言の言を守る人々と同樣の僕なり、神をば禮拜し奉れ、と。
10又我に謂ひけるは、此書の預言の言を封ずる事勿れ、其は時近ければなり。
11害する人は愈害し、汚に在る人は愈汚れ、正しき人は愈正しく、聖なる人は愈聖と成るべし。
12看よ我速に來り、報を携へて、各其業に隨ひて之に報いんとす。
13我はアルファなり、オメガなり、最初のものなり、最終のものなり、原因なり、終局なり。
14生命の樹に與る權を得ん爲、門より市街に入らん爲に、羔の御血に己が衣を洗ふ人は福なる哉。
15犬、魔術を行ふもの、淫亂なるもの、人を殺すもの、偶像を崇拜するもの、總て僞を愛して之を爲す者は外に在るべし、
16我イエズス使を遣はして、諸敎會に於て是等の事を汝等に證明せしめたり。我はダヴィドの萌蘗にして裔なり、輝ける曉の明星なり。
17靈及び新婦、來り給へと言へり。聞く人も亦、來り給へと言ふべし。渴く人は來れ、欲する人は價なく生命の水を受けよ。
18我は總て此書の預言の言を聞く人に保證す、若之に加ふる人あらば、神は此書に記されたる禍を之に加へ給はん。
19若此書の預言の言を省く人あらば、神は生命の名簿より、また聖なる都より、又此書に記せる所より、其受くべき分を省き給はん。
20是等の事を證明し給へるもの曰く、然り、我速に來る、と。アメン、主イエズス來り給へ。
21願はくは我主イエズス、キリストの恩寵、汝等一同と共に在らん事を、アメン。