鹿児島県大島郡十島村に関する所得税法等の適用及びこれに伴う経過措置に関する政令
鹿児島県大島郡十島村に関する所得税法等の適用及びこれに伴う経過措置に関する政令をここに公布する。
御名御璽
昭和二十七年三月三十一日
- 政令第五十七号
鹿児島県大島郡十島村に関する所得税法等の適用及びこれに伴う経過措置に関する政令
内閣は、昭和二十六年十二月五日附連合国最高司令官覚書「若干の外かく地域の日本からの政治上及び行政上の分離に関する件」に伴う鹿児島県大島郡十島村に関する暫定措置に関する政令(昭和二十六年政令第三百八十号)第一項前段及び第五項の規定に基き、この政令を制定する。
(所得税法等の適用)
- 第一條
- 左に掲げる法律及びこれに基く命令は、昭和二十七年四月一日から、鹿児島県大島郡十島村に関する地方自治法の適用及びこれに伴う経過措置に関する政令(昭和二十七年政令第十三号)第一項後段の規定に基き鹿児島県大島郡十島村となつた区域(以下「十島村」という。)に適用する。
- 一 所得税法(昭和二十二年法律第二十七号)
- 二 法人税法(昭和二十二年法律第二十八号)
- 三 相続税法(昭和二十五年法律第七十三号)
- 四 富裕税法(昭和二十五年法律第百七十四号)
- 五 資産再評価法(昭和二十五年法律第百十五号)
- 六 通行税法(昭和二十五年法律第四十三号)
- 七 登録税法(明治二十九年法律第二十七号)
- 八 取引所税法(大正三年法律第二十三号)
- 九 国税徴収法(明治三十年法律第二十一号)
- 十 租税特別措置法(昭和二十一年法律第十五号)。但し、酒税、印紙税及び揮発油税に係る部分を除く。
- 十一 災害被害者に対する租税の減免、徴収猶予等に関する法律(昭和二十二年法律第百七十五号)
- 十二 国税犯則取締法(明治二十三年法律第六十七号)
- 十三 法人において租税及び葉煙草専売に関し事故ありたる場合に関する法律(明治三十二年法律第五十二号)
- 十四 納税貯蓄組合法(昭和二十六年法律第百四十五号)
- 十五 税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)
- 2 左に掲げる法律及びこれに基く命令は、昭和二十七年十月一日から、十島村に適用する。
- 一 酒税法(昭和十五年法律第三十五号)
- 二 砂糖消費税法(明治三十四年法律第十三号)
- 三 印紙税法(明治三十二年法律第五十四号)
- 四 骨牌税法(明治三十五年法律第四十四号)
- 五 物品税法(昭和十五年法律第四十号)
- 六 揮発油税法(昭和二十四年法律第四十四号)
- 七 租税特別措置法(酒税、印紙税及び揮発油税に係る部分に限る。)
- 八 酒税の徴収に関する法律(明治四十四年法律第四十五号)
(所得税法の適用に伴う経過措置)
- 第二條
- 所得税法及びこれに基く命令は、前條第一項の場合においては、個人については、昭和二十七年分の所得税から適用する。
- 2 前項の場合における所得税法の適用については、昭和二十七年分の所得税に限り、同法第二十六條の三第四項中「前年十二月三十一日」とあるのは「六月三十日」とし、同法第三十九條第一項中「毎年」とあるのは「昭和二十七年四月一日以後」とする。
- 3 昭和二十七年一月一日から同年三月三十一日までの間に十島村に適用された法令に基き徴収された税金で所得税法第十七條、第十八條及び第四章第二節の規定により徴収する所得税に相当するものは、これらの規定により徴収された所得税とみなす。
(法人税法の適用に伴う経過措置)
- 第三條
- 法人税法及びこれに基く命令は、第一條第一項の場合においては、法人の昭和二十七年四月一日以後終了する事業年度分の法人税から適用する。但し、同法第十九條及び第二十條並びにこれらの規定に基く命令は、当該法人の同日を含む事業年度終了の日までの間にこれらの規定の適用があることとなつた場合においては、適用しない。
(相続税法の適用に伴う経過措置)
- 第四條
- 相続税法及びこれに基く命令は、第一條第一項の場合においては、個人が昭和二十七年一月一日以後相続、遺贈又は贈与に因り取得した財産に係る相続税から適用する。
- 2 昭和二十七年一月一日以後同年三月三十一日までの間に相続、遺贈又は贈与に因り取得した財産について従前十島村に適用された法令に基き課せられた税金で相続税に相当するものは、同法に規定する概算申告書に係る相続税額とみなす。
(資産再評価法の適用に伴う経過措置)
- 第五條
- 資産再評価法及びこれに基く命令のうち同法第八條第二項又は第九條第一項に規定する資産の再評価に係る部分は、第一條第一項の場合においては、昭和二十七年一月一日以後譲渡、贈与又は遺贈があつたものから適用する。この場合において、同法中「財産税評価額」とあるのは。「昭和二十一年三月三日午前零時における時価」とする。
- 2 資産再評価法第六條第一項、第八條第一項又は第十條第一項に規定する資産の再評価については、第一條第一項の場合においては、同法第十三條の二、第十三條の三、第四十五條の二及び第四十六條の二中「昭和二十六年」とあるのは、「昭和二十七年」と読み替えて同法を適用する。
(酒税法の適用に伴う経過措置)
- 第六條
- 従前十島村に適用されていた酒税法に相当する法令に基き、昭和二十七年十月一日において酒類を製造することを認められている者並びにその種類及び製造場は、同日以後においては、酒税法第十四條の規定による免許を受けた者並びにその種類の製造場とみなす。
- 2 従前十島村に適用されていた酒税法に相当する法令の規定により税金を課されていた酒類が昭和二十七年十月一日において現に前項に規定する製造場に存する場合においては、同日以後酒税額から当該酒税法に相当する法令の規定により課された税金に相当する税額を控除する。
(砂糖消費税法の適用に伴う経過措置)
- 第七條
- 従前十島村に適用されていた砂糖消費税法に相当する法令の規定に基き、昭和二十七年十月一日において砂糖、糖みつ又は糖水を製造することを認められている者及びその製造場は、同日以後においては砂糖消費税法第八條の規定による申告をした者及びその製造場とみなす。
(従前の法令の適用排除)
- 第八條
- 従前十島村に適用されていた左の各号に掲げる法令は、昭和二十七年四月一日以後は、適用しない。
- 一 織物消費税に関する法令
- 二 特別行為税に関する法令
- 三 地租、家屋税及び営業税に関する法令
- 四 娯楽興業税、自動車税、不動産取得税、船舶税及び漁業権税に関する法令
(権限の移管)
- 第九條
- 従前十島村に適用されていた法令のうち、第一條第一項各号及び同條第二項各号に掲げる法律並びにこれに基く命令に相当するもの並びに前條各号に掲げるものの実施上の権限で昭和二十六年十二月五日附連合国最高司令官覚書「若干の外かく地域の日本からの政治上及び行政上の分離に関する件」に伴う鹿児島県大島郡十島村に関する暫定措置に関する政令第一項の規定に基き鹿児島県知事が行うものは、昭和二十七年四月一日以後は、鹿児島税務署長が行う。
(従前の法令による税金)
- 第十條
- 従前十島村に適用されていた法令(第一條第一項各号及び同條第二項各号に掲げる法律並びにこれに基く命令に相当する法令並びに第八條各号に掲げる法令に限る。)の規定により課されていた、又は課すべきであつた税金については、前條に定める場合を除く外、なお従前の例による。
附則
- 1 この政令中第一條第一項、第二條から第五條まで、第八條及び第九條並びに第十條(第一條第一項各号に掲げる法律及びこれに基く命令に相当する法令並びに第八條各号に掲げる法令に係る部分に限る。)及び附則の規定は、昭和二十七年四月一日から、その他の規定は、同年十月一日から施行する。
- 2 所得税法施行規則(昭和二十二年勅令第百十号)の一部を次のように改正する。
- 附則第二條第四号を次のように改める。
- 四 鹿児島県大島郡(十島村及び三島村を除く。)
- 3 法人税法施行規則(昭和二十二年勅令第百十一号)の一部を次のように改正する。
- 附則第二條第四号を次のように改正する。
- 四 鹿児島県大島郡(十島村及び三島村を除く。)
- 3 相続税法施行令(昭和二十五年政令第七十一号)の一部を次のように改正する。
- 附則第二項第四号を次のように改める。
- 四 北緯二十九度以南の南西諸島
- 5 資産再評価法施行令(昭和二十五年政令第九十五号)の一部を次のように改正する。
- 第十六條第四号を次のように改める。
- 四 北緯二十九度以南の南西諸島
- 6 富裕税法施行令(昭和二十五年政令第三十二号)の一部を次のように改正する。
- 第二項第四号を次のように改める。
- 四 北緯二十九度以南の南西諸島
- 7 通行税法施行規則(昭和十五年勅令第百五十二号)の一部を次のように改正する。
- 附則第二項第四号中「三十度」を「二十九度」に改める。
内閣総理大臣 吉田 茂
大蔵大臣 池田 勇人
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- 法律命令及官公󠄁文󠄁書
- 新聞紙及定期刊行物ニ記載シタル雜報及政事上ノ論說若ハ時事ノ記事
- 公󠄁開セル裁判󠄁所󠄁、議會竝政談集會ニ於󠄁テ爲シタル演述󠄁
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