鉄道唱歌/山形県鉄道唱歌


  1. あづまみやこあときたすゝめばしのぶぐさ しの文字摺もじず福嶋ふくしまえきにぞはやつきにける
  2. こゝよりさき二股ふたまたみぎひだりわかるれど をりたゞしきひだごろも いざひだりよりすゝみなん
  3. はん銀山右ぎんざんみぎながめもよしや庭坂にはさかのぼのぼればしるたうげのトンネルは
  4. 見上みあぐるやま數々かず/\十重とへ二十重はたへりぬきて くるまみちかよふこそ ひらめぐみなれ
  5. やみ辿たどこゝして せきすゝとき金白玉置賜がねしらたまおきたまへい間近まぢかえにけり
  6. やまふもともしるき 米澤驛よねざわえきにぎはしく くは兒等こらあかたすき きぬばた音高おとたか
  7. まなびみち彌開いやひらしよく産工業さんこうげふさかんにて かまど烟賑けぶりにぎはふは 鷹山いようざんこうかげとかや
  8. ひがしはう左氏さしせん藤繼信忠信とうつぎのぶたゞのぶそのため母上ばゝうへあととむらひしいほりあり
  9. ぬかえきうちぎて たれをかちし松川まつかははしをとどろとらし いそぎにいそとき
  10. あかさすあかえき 節繁ふししげをも たびのつかれもつかゆあみてこゝろ清々すが/\
  11. やまをたどりうちけば がみへいはる/″\ひともとわたされ あなこゝよの景色けしきやな
  12. うきあかはらへとや またいでかみやま おいわかきもれて ゆあみるひとやまをなす
  13. わうやまみぎかは鐵橋打渡てつけううちわたはるかきこらつこゑ これ山形やまがたみやこなる
  14. たみかまどにぎはしく いらかならぶる軒繁のきしげくるまあと縱横たてよこいでひと眞砂まさごなす
  15. かすみしろはあをによし 奈良ならみやこそのむかし つくはじめししろなりき つきうつ物變ものかは
  16. あらしことふり さびしきつき宿やどかれど いま三十さんじふ聯隊れんたい ますをの營所えいしよなる
  17. ひがしはうながむれば むかしながらの歳山とせやま まつみどりいろそへて そのかはらぬ跡哉せきかな
  18. 實方さねかたそんしたひけむ 阿古耶あこやまつがくれて しのび/\にぬるそでちうじやうひめはてあと
  19. 馬見まみ崎川打渡さきがはうちわた覺大がくだいひらきけむ 山寺山やまでらやまひがし 天童驛てんどうえきれば
  20. 舞鶴山まひつるやままつばやし しげしげりし其中そのなか信長公のぶながこうたましひしづまりますぞしたはしき
  21. をさなはらうちけば かぎりもあらぬ松原まつばら木々きぎこずゑかぜきて まつおとづる聲凉こゑすゞ
  22. 神町通じんまちどほ楯岡たてをか美々びゞしくゆるむねをば かへりみしつゝ大石おほいし むらうまやつきにけり
  23. のぼればくだ稻舟いなぶねみしむかししのばるゝ がみかは此村このむら沿ひつゝながもと
  24. 三急流さんきふりうひとつにて いるよりも猶早なほはやみづはあやなす常磐ときいはいろあいなす堅磐かきいは
  25. かのちうじやう實方さねかた澤潟摺おもだかずりころもいしきざみてえいじけむ ばなさとみぎ
  26. 猿羽根さばねたうげけば つたくずいろえて たびあはれ夕暮ゆふぐれうらごとにはやふか
  27. 出羽では莊内しやうないうたたひけむ がはわたりしきをば たづねんひと舟形ふながたりて西にしへとすゝむべし
  28. 舟形川ふながたがは打渡うちわたなみなかとほりつゝ きたすゝめば綾織あやおりそのたかしんじやうえき
  29. 指首さすかはいにしへ面影おもかげとめていまなほ むすばむひとかゞみなす こほり水口寒みづくちさむ
  30. 金山驛かねやまえきけば のぼればくださかにて 及位のぞききたすぎたうげ これ羽後うごとのさかひなる

この作品は1929年1月1日より前に発行され、かつ著作者の没後(団体著作物にあっては公表後又は創作後)100年以上経過しているため、全ての国や地域でパブリックドメインの状態にあります。